イケメンが作る、こだわりのマインデニム
野口強さん
Sunday, September 25th, 2016
野口強さん
スタイリスト、マインデニム・ディレクター
text kentaro matsuo photography natsuko okada
カメラマンの岡田ナツ子が、なにやらニヤニヤ、モジモジしています。今回の撮影は、業界でも有名なイケメンなので、嬉しいのですね。やれやれ旦那がいるくせに、まったく困ったものですが、その気持ちはわからないでもありません。
野口強さんといえば、数々の雑誌や広告のディレクションをこなし、多くの芸能人のスタイリングを担当する超売れっ子スタイリストです。長身痩躯で、かつてはモデルとしても活躍なさっていた人なのです。
その彼が、今夏新しいデニム・ブランドをローンチして、話題になっています。それが“マインデニム”です。
「小さい頃から、デニムばかり履いて来ました。小学校4、5年生の頃には、近所のジーンズ屋に入り浸っていた記憶があります。その後ディスコで働いたり、アパレルでバイトしたり、資生堂の花椿のモデルをやったりしていましたが、自分が着るものは一貫してジーンズにTシャツでしたね。現在では、ジーンズは400本くらい持っています。ジーンズならば、ありとあらゆるものを試してきたと言えます」
そんな野口さんがディレクションしたデニムですから、さぞや諸々凝っていると思いきや、デザインはとてもシンプルです。
「あくまでもシルエット重視、そして穿き心地のいいものを作りたかった。自分の周りには、スポーツ選手やダンサーなど、体型が他とはちょっと違う人が多い。ウエストは細いのに、腿がやたら太かったり。マインデニムはそういう人にも穿いてもらえるものを目指しました」
もう一つの特徴は、デニムなのにオーダーメイドが可能なところです。自社ファクトリーまで持っているとか。
「海外だとデニムのバリエーションってすごく多いのに、日本だとあまりない。そこでマインデニムでは、好きなサイズ、デザインのデニムをオーダーメイドで作れるようにしました。ボタンやリベットの素材なども変えられます。リアルシルバーやゴールドさえ選べますよ。ゴールドの場合、値段は100万円以上になりますが(笑)。それからデニムのスーツやタキシードも企画しているんです」
まさに今までにない、新しい時代のデニム・ブランドです。
Tシャツはアンダーカバー。サイドにポケットが付いているので、とても便利だとか。
「ほとんど毎日、Tシャツばかり着ています。冬はこの上に、ライダースなどのアウターを羽織る。えっ? 持っているTシャツの枚数ですか? たぶん数千枚はありますね。もう見るのも嫌になります。それでも昨年、半分は処分したんですが(笑)」
時計はトキオ・クマガイ。1980年代に一世を風靡したブランドです。
「この時計は、当時のものです。昔買って、ずっと大切に使っていたのです。実は数年前に壊れてしまったのですが、同じモノを友人から譲ってもらって、当時のベルト職人に、ベルトとバックルだけ取り替えてもらったのです」
なるほど、ひとつのものを気に入ると、とことん付き合うのが“野口流”なのでしょう。実は私も、同じ時計を持っていました。これは猫シューズと並んで、今は亡きトキオさんの傑作だと思います。
ブーツは、ラグス マックレガーとノンネイティブのコラボ。今夏購入したばかりです。
ジーンズは、もちろんマインデニム。スリムなシルエットですが、ストレッチ素材で「座敷でもラク」と。やっぱり、ディレクター本人が、一番似合いますね。
野口さんは、マインデニムの細身のモデルはほとんどを持っているそうですが、唯一ホワイトジーンズだけは、なかなか手が出せないそうです。
「いつも『今日は穿こう』と思うのですが、どうも気後れしてしまって。前にテレビで“20代、30代の女の子がキライな男のファッション”という番組をやっていて、その3位が“白いズボン”だったんです(笑)」
名立たるモテ男が、そういうことを気にしているところが面白いですね。そんな気さくで飾らない人柄が、この方の最大の魅力でしょう。
「マインデニムは、服好きから、何を着ていいのか、まったくわからない人まで、いろいろな人に穿いて欲しいのです。とにかく一回ショップに足を運んで、試着してみて下さい。それだけで帰ってもいいからさ(笑)」
私の目にもマインデニムは、シルエットの美しさと、素材のよさ、縫製の巧みさを併せ持った、希有なブランドに映りました。今度の休みは、千駄ヶ谷までジーパン・ピクニックされることをオススメします!
写真のデニムは最も定番なストレートスリム・タイプ。カラーはインディゴとブラック。
各¥35,000 Minedenim http://minedenim.jp/
2-5-8 IWAI BLDG. JINGUMAE, SHIBUYA-KU, TOKYO,
TEL.03-6721-0757