VACHERON CONSTANTIN 2024 NEW MODELS
ふたつの複雑機構を独創的に表現する力作がプラチナを纏って登場
April 2024
ヴァシュロン・コンスタンタンは2024年、限定シリーズ「コレクション・エクセレンス・プラチナ」に、独創的なコンプリケーション、「トラディショナル・トゥールビヨン・クロノグラフ」を加えた。
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ヴァシュロン・コンスタンタンの「コレクション・エクセレンス・プラチナ」とは、時代を超えても輝きを失わない高貴で希少な金属——プラチナ——を前面に押し出した、コレクターから高い評価を受けている、特別なシリーズだ。2006年にこのコンセプトをスタートさせ、以降メゾンを代表するさまざまなモデルがこのコレクションから発表されてきた。ケース、リュウズ、クラスプはもちろんのこと、ダイヤルもプラチナ製。サンドブラスト仕上げが施されており、4時位置と5時位置の間に「PT950」の英数字がさりげなく記されている。驚くべきことに、レザーストラップのステッチ部分にまでプラチナが使用されているのだ。
アリゲーターレザーストラップのステッチまでも、プラチナとシルクを縒り合わせた糸を使用している。
その「コレクション・エクセレンス・プラチナ」に、今年は「トラディショナル・トゥールビヨン・クロノグラフ」が仲間入りした。「トラディショナル・トゥールビヨン・クロノグラフ」は、2020年に発表されたモデルだが、今回はドーフィン型の針やレイルウェイミニッツトラック、外周に縦溝の模様を刻むケースバックなど、「トラディショナル」コレクションらしい美的コードはそのままに、ほぼすべての部品がプラチナ950で製作されている。
ケースは42.5mmだが厚さがわずか11.7mmにおさえられているため、スーツスタイルにもマッチする。
モデル名の通り、トゥールビヨンとそれにより調速されるクロノグラフを組み込んでいるが、そのデザインも機能性も実にユニークだ。トゥールビヨンは、通常ダイヤル下部に配されることが多いが、このモデルではより視線を引きつける12時位置に、マルタ十字を象ったキャリッジとともに配置されている。クロノグラフはモノプッシャー式を採用しており、リュウズにあるひとつのプッシャーでスタート・ストップ・リセットを行うものとなっている。これは腕時計以前、つまりかつての懐中時計に見られた仕組みを再現している。45分の積算計は3時位置に配置しており、6時位置には65時間のパワリザーブ表示を備えている。フランジ部分にはミニッツトラックとタキメーターの1000目盛りが2重に配されているため、クロノグラフ作動後1分を使って時速（km/h）を計算することができる仕組みだ。
搭載するムーブメントは、2015年にメゾンの260周年を記念し開発された自社製のキャリバー3200。毎時2.5Hzのゆったりとした振動数で時を刻む。トゥールビヨンとモノプッシャー・クロノグラフはモジュール式構造ではなく、ムーブメントに一体化したものだ。部品数292という複雑さでありながら、厚さはなんと6.7mmというから驚きである。
キャリバー3200は、クロノグラフ機能を統制するコラムホイールを搭載しており、メゾンが開発した摩擦のテクニックを利用したラテラル・クラッチ機構を採用することで、クロノグラフ作動時に起こりうるクロノグラフ針のぶれを抑制している。また、“オール・オア・ナッシング” の名で知られる力学的な作動システムを搭載。プッシャーへの力が不十分な場合はクロノグラフ機構と連結しないようにできている。さらに、クロノグラフの針のリセットには、ひとつでなくふたつのハンマーが配されている。これらの特殊な機構はすべて、サファイアクリスタルのケースバックから鑑賞することができる。
トゥールビヨン・キャリッジはマルタ十字から着想され、全面的に手作業で仕上げられている。
ケースと同様、ムーブメントの細部にまで完璧な仕上げが施されており、プラチナの独特の輝きを纏った「トラディショナル・トゥールビヨン・クロノグラフ」は、ジュネーブの偉大な時計製造の伝統を現代的に表現しつつ、機構の複雑さと審美的な美しさを見事に兼ね備えている。生産されるのは世界限定50本。時計愛好家たちを魅了する、実にコレクション性の高いモデルだ。
トラディショナル・トゥールビヨン・クロノグラフ
世界限定50本、ブティック限定モデル
手巻き、Ptケース、42.5mm
¥40,920,000（4月発売予定／予価） Vacheron Constantin
ヴァシュロン・コンスタンタン
TEL.0120-63-1755
