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最高級の世界
#02 デイセーラー:
独りで操れる大型ヨットが人気
June 2021
プレジャーボートの市場が20年ぶりに高水準だという。
モーターボート、ヨット、ジェットスキーなど選択肢も広がり、最近ではレクサスブランドの豪華なモータークルーザーが発表されるなど、海の遊びは再びトレンドとなりそうな様相だ。
今回はまず、その中でも伝統的な「ヨット」を紹介する。
text jun nakano
SAFFIER SE 37FT LOUNGE/サフィール SE 37FT ラウンジ
サフィール SE 37 FT ラウンジの大きな特徴は、電動または手動で操舵に関わるほぼすべてをひとりで行えることを可能にしたシステムをベースに、コックピットの前方左右に舵を設置し、後部に「ラウンジ」と呼ばれる大きなスペースを確保したデザインだ。左右のベンチは2.5mもあり、停泊中はもちろん、セーリング中においても快適な時間を過ごすことができる。デッキ下には4人が寝るのに充分なスペース、左舷にはシンクつきのギャレー、コーヒーバー、電磁調理器、冷蔵庫。右舷にはトイレ、洗面台、シャワーと万全だ。
全長:12.00m/全幅:3.45m/喫水:2.10m/排水量:4.80t/バラスト:2.05t/エンジン:21hp 本体価格¥46,181,000(税別。写真のヨットには別途のオプションも含まれている)
かつてフロリダ州デルレイビーチ近辺を取材で訪れた時、運河を中心に縦横無尽に延びた水路と、おびただしい数の係留地付き別荘を見て、脱帽したことを覚えている。お話を伺った別荘族のなかには、「自分の船でゴルフに行き、レストランに寄って帰る」と言われる方もいた。
海の楽しみ方は国それぞれ、人それぞれだ。残念ながら日本における海洋レジャーは国土の狭さや気象条件、関連法規の厳しさ、漁業関係者との対立などが相まって、保有艇数は横ばいが続いている。しかし近年、国交省海事局などが中心となり、緩やかながら規制緩和の方向に動く。「海事観光」という言葉も現れ、道の駅ならぬ「海の駅」も増えた。国民の海離れを食い止める趣旨で策定されたこれらの施策は、僅かではあるが船舶免許受有者の増加にも現れている。
さて、船を楽しむにはふたつの選択がある。ひとつは主たる動力がエンジンの「モーターボート」、もうひとつは帆を張り進む「ヨット」だ。今回は昨年リリースされた新艇のヨット、「SAFFIER SE 37FT LOUNGE」を紹介する。
大型ヨットの利点は自然を感じながらゆったりと過ごせること。但し操舵は難しく、かつては複数のクルーが乗り込んでいた。しかし現在では技術革新が進み、船のオーナーが舵を取りながらボート全体をコントロールすることができる「デイセーラー」と呼ばれるカテゴリーが人気である。その中でもこの艇は、家族やゲストの快適さを追求しながら、セーリングの楽しみも両立させている。ヨットにラウンジという新しい発想は、これからのトレンドになるとも思われる。
問い合わせ先:オカザキヨット
本記事は2019年3月25日発売号にて掲載されたものです。
価格等が変更になっている場合がございます。あらかじめご了承ください。
THE RAKE JAPAN EDITION issue27