UNITED AIRLINES BUSINESS CLASS “POLARIS”

「ユナイテッド・ポラリス」
進化したビジネスクラスを体験する

February 2023

 

text kentaro matsuo

 

 

 

 

 

 ユナイテッド航空では、世界に広がる長距離国際路線のパッセンジャーのためだけに、普通のビジネスクラスとは異なる、ワンランク上のラグジュアリーなビジネスクラスを用意している。それが「ユナイテッド・ポラリス」だ。

 

 長い距離を移動するのは、何かとストレスがかかるもの。そこでチェックイン〜ラウンジ〜搭乗〜機内サービス〜着陸まで、シームレスに上質なひとときを過ごせるよう、さまざまな工夫が凝らされている。

 

 座席は1/2/1の配列で機内スペースを贅沢に使い、ぐるりとウォールに囲まれたシートは、プライベート感に溢れている。まさに「個室」といった趣だ。

 

 

 

 

 エンターテイメント・システムは、さらなる進化を遂げた。画面分割機能により、映画を見ながらフライトマップを見ることが可能となった。フライトの残り時間に応じた、おすすめのエンターテイメントを自動で選んでくれる機能も加わった。過去に視聴したコンテンツも記録され、オーディオやビデオのプレイリストを作成することもできる。

 

 モニター下から伸ばすことができるテーブルは、二つ折りとなっており、十分な広さを用途に応じて自由に確保できる。食事はもちろん、ラップトップを置いてタイピングするのにちょうどいい。

 

 

 

 

 常設のマーブルのサイドテーブルが付いているので、仕事中、飲み物の置き場所に困ることはない。読書灯はさらなるプライベート感を高めてくれる。コンセント類もちょうどいい位置にある。

 

 さらに機内Wi-Fiサービスも利用できる(有料)。サテライト式なので、従来のものよりハイスピードで快適にネットを閲覧することが可能だ。

 

 

 

 

 ユナイテッド・ポラリスは、より就寝に特化したビジネスクラスだ。シートは180度フルフラットにすることができ、ベッド長は198cmにもなる(シート幅は52cm)体の大きなアメリカ人を基準としているので、すべてが広々としているのだ。

 

 

 

 

 シートのリクライニングはすべて座席横のコントローラーで調節することができる。ダイヤル式のスイッチが付いているので、無段階でシートの角度を変えられるのが嬉しいところだ。

 

 

 

 

 またウォール外側には、「Do not disturb」(入室無用)の表示が付いている。これを点灯させておけば、スタッフから声をかけられることは一切なくなるという。まさにホテルのようなサービスである。

 

 

 

 

  アメニティキットは、快適な空の旅と安眠にフォーカスされている。アメリカの人気ブランド、サンデーライリーの高級スキンケア・アイテムが入っており、リラックス&リフレッシュすることができる。心地よいスリッパは、長時間のフライトで座席を離れるときや立ってストレッチするときに最適だ。耳栓と人間工学に基づくアイマスクは、睡眠を妨げるノイズや光をブロックしてくれる。

 

 枕やブランケットなどの寝具はアメリカの高級デパート、サックスフィフスアヴェニューと共同開発したもの。そのクオリティ、肌触りと寝心地は折り紙付きである。

 

 

 

ラグジュアリーなホテルのような

「ユナイテッド・ポラリス・ラウンジ」

 

 

 

「ユナイテッド・ポラリス・ラウンジ」は、長距離国際路線を利用する「ユナイテッド・ポラリス」ビジネスクラスのパッセンジャーのみに開放されているエクスクルーシブなラウンジだ。大型ハブ空港であるニューアーク・ニューヨーク、ワシントンD.C.、シカゴ、ヒューストン、ロサンゼルス、そしてサンフランシスコの6空港に設けられている。広大でラグジュアリーな空間は、ラウンジというよりも、もはやホテルに近い。

 

 

 

 

 サンフランシスコ国際空港のポラリス・ラウンジを覗いてみよう。全米でも最大級のラウンジで、2階建てで440席もあり、階段とエスカレーターで上下の階が結ばれている。エントランスやエスカレーターの上に吊るされた照明器具などに、さり気なくポラリス(北極星)のモチーフが散りばめられている。

 

 チェア類はイタリアの高級インテリア・ブランド、B&Bのものが使われている。上の写真のソファは日本人のプロダクト・デザイナー、深澤直人氏がデザインしたものだ。

 

 

 

 

 2,600㎡の広さを誇る上層階は、パブリックなスペースで、ダイニングルームやバーが設えられている。

 

 

 

 

 2面の大きな窓からさんさんと陽光が降り注ぐダイニングルームでは、普通のレストランのように座席に座りメニューから料理を選び、サービススタッフにオーダーするシステムを採用している。好きなものを好きなだけ頼むことができ、出来たてをサーブしてもらえる。

 

 

「レモンとリコッタチーズのパンケーキ」。ベリー類とクリーム、メープルシロップを添えて。

 

 

 朝のメニューには、「レモンとリコッタチーズのパンケーキ」、「オムレツ―お好きなスタイルで」、ランチとディナーのメニューには「ラム・ケバブ」、「シーフード・チョッピーノ(サンフランシスコ名物の海鮮シチュー)」、「ポラリス・シグネチャー・バーガー」などレストラン顔負けのメニューが並んでいた。

 

 

 

 

  ドリンク類もバリエーション豊か。淹れたてのコーヒーやフレッシュなジュースが数多く用意されている。もちろん朝からシャンパーニュと洒落込んでもいい。シャンパーニュはランソンがサーブされている。地元ナパ・ヴァレーやソノマをはじめとするワインの品揃えも数多い。

 

 

 

 

 セルフサービスのビュッフェコーナーも充実しており、自ら好きなものをチョイスすることもできる。オーダーしたものと組み合わせて、楽しむことも可能だ。コールドミールのみならず、温かい料理もたっぷりと用意されている。

 

 

トマトソースに卵を落としたシャクシューカ風の一皿。ストウブの鍋が使われている。

 

 

 

 

 本格的なカクテルやスピリッツが楽しめるバーカウンターも併設されており、プロのバーテンダーが常駐している。アルコール好きには堪らないスペースだ。スタンダードのみならず、オリジナルのカクテルも作ることができるという。

 

 

ランソンのシャンパーニュとフランスのリキュール、サンジェルマン エルダーフラワーをミックスしたオリジナルのカクテル。

 

 

 

 

 下層階には、シャワー・スイートやクワイエット・スィート、読書や仕事に便利なライブラリースタイルの座席がある。1人旅のビジネス・パッセンジャーを意識し、ほとんどが1人掛けのシートになっている。

 

 

 

 

 幅広のレザー製ソファ、サイドテーブル、個人用読書灯を備えたポッドは実に快適そうだ。隣の席とはパーティションで仕切られており、プライベート感が高い。もちろん電源コンセントは完備されている。

 

 

 

 

「シャワー・スィート」にてシャワーを浴びてリフレッシュすることも可能だ。シャワールームは全部で8室あり、それぞれに着替え台、トイレ、レインシャワーが設置されている。広々としているので、荷物を持ち込んで詰め替えることもできるだろう。

 

 アメニティは、機内と同じくサンデーライリーのものが置かれている。

 

 

 

 

「クワイエット・スィート」は仮眠用のスリーピングルームだ。全部で5つの部屋があり、それぞれにデイベッドが設置されている。サックスフィフスアベニューの枕とブランケットは、リクエストに応じて提供される。また、希望の時間をスタッフに伝えておけば、その時間に起こしてくれるのも嬉しいサービスだ。

 

 ユナイテッド・ポラリス・ラウンジは、考えうる最高の設備が整ったラウンジである。エレガントでデザインの趣味もよく、ラグジュアリーなホテルを思わせる。ここを旅の目的地のひとつとするのに、十分に足る内容である。

 

 ポラリス・ラウンジでゆっくりと食事やアルコールを楽しんだ後、機上の人となり、フルフラット・ベッドに横になって目を閉じれば……、目を覚ましたときには、すでに日本は間もなくとなっているだろう。どうか、いい夢を!

 

 

 

UNITED AIRLINES

 

ユナイテッド航空は、今回紹介したサンフランシスコ国際空港へ、羽田・成田からは毎日、関西国際空港からは週3便就航している。同社の西海岸における最大のハブ空港であるサンフランシスコからは、全米各都市へ数え切れないほどの便が飛んでおり、乗り継ぎも便利でスムーズだ。アメリカへ行くなら、そしてアメリカ以遠のカナダ、メキシコ、中南米の主要都市へ行くなら、ユナイテッド航空によるアクセスを、まずはチェックしてみたい。

www.united.com