The Westin Maui Resort and Spa Kaanapali 1
ハワイの知られざる魅力を求め、
ネイバー・アイランドへ
February 2020
text chiharu honjo
ハワイと言えば、ワイキキビーチのあるオアフ島を思い浮かべる日本人が多いだろう。美しいビーチだけでなく、ショッピングやグルメなど街歩きも堪能できる楽園というイメージだ。
しかし、アメリカ人がハワイと聞いて思い浮かべるイメージは、大自然のパワーが宿るネイバー・アイランドなのだという。訪れる人を魅了してやまないハワイの新たな魅力を求めて、ワイキキの喧騒を離れ、マウイ島とハワイ島にリゾートを持つ、ふたつのウェスティンを旅した。
旅の始まりは、マウイ島。カフルイ空港に到着すると、ホテルのドライバーが満面の笑みで迎えてくれた。「サプライズな移動はどう?」と勧められて着いた先はヘリポートだった。
車で行くと30分ほどの道のりを、ヘリで行けば10分で着くことができるため、多忙な富裕層が利用するのだという。ロングフライトで疲れた体にとって、一刻も早くホテルで休むことができるのはありがたい。通常は車での移動だが、ホテルに依頼しておけばヘリコプター会社を手配してくれるというから利用しない手はない。
ヘリコプターに乗り込むと、すぐさま高度をあげ島の上空へ。マウイ島の山々から湧き出る滝や、雄大な渓谷の絶景を眺めたのち降り立ったのは、ラハイナにある美しいカアナパリビーチに位置する「ウェスティン・マウイ・リゾート&スパ,カアナパリ」だ。
BLUE HAWAIIAN HELICOPTERS
同リゾートは昨年、エントランスとロビーの装いを改めた。自然の中でラグジュアリーに滞在できるよう、マウイらしさを表現したエッセンスで意匠を凝らしており、モダンな雰囲気を醸すエントランスとなった。
デザインを手掛けたマウイ出身のインテリアデザイナーMa Ray Kim(マレイ・キム)氏は、「現地に自生している、ピリグラスという葦のような草に朝露がつく様が美しく、ピリグラスが空に向かい真っ直ぐ立っている姿に着想を得て、直線を並べた造形をエントランスや各所に施しました」と語る。
洗練されたエントランスを抜けると開放感のあるロビーが現れ、滝が流れる池に放たれたフラミンゴや、色鮮やかなオウムが出迎えてくれる。その光景は、さながら訪れたゲストを楽園へ誘うかのようだ。