The Ritz-Carlton, Kyoto
京都の矜持が随所に光る
リッツ・カールトン
April 2019
客室の半数が鴨川に面する。
京都御所のほど近く、鴨川のほとりに位置するのが「ザ・リッツ・カールトン京都」だ。旧ホテルフジタ京都の跡地に建てられ、去る2月に5周年を迎えた同ホテルには、歴史的遺産が随所に散りばめられている。
例えば日本料理「水暉」の窓の外に見える石垣は、旧ホテル時代からあったもので、職人によってひとつひとつ洗浄し、配置し直されたもの。またイタリア料理「ラ・ロカンダ」内に突如として現れる日本家屋「夷川邸」は、かつてこの地に住んでいた藤田伝三郎男爵の別邸で、1907年に建てられたものを修繕し移築されたものである。古いものを大切にし、後世に受け継ぐ、そんな京都ならではの矜持を感じさせる特別なリッツ・カールトンなのだ。
イタリア料理「ラ・ロカンダ」内の「夷川邸」。靴を脱いで上がるが、椅子に腰かけるお座敷のため、海外からのゲストも安心だ。
客室においては、ヒノキ風呂や日本庭園が設えられている部屋まであり、和を色濃く感じられる。また館内には、陶器やかけ軸、絵画をはじめ、約400点ものアート作品が飾られており、ガイドによるアートツアーもあるほど。ツアーに参加して、あまたの知られざる魅力にぜひとも出合っていただきたい。
庭側の客室「デラックス・ガーデン」のベッドルーム。
昨年末、「ラ・ロカンダ」にて特別なカクテルトローリーが披露された。これは英国の老舗ブランド「アスプレイ」とのコラボレーションで生まれたもので、カクテルの黄金期1920~30 年代に着想を得て作られた。トローリー本体は約420 万円で、デキャンタ等の付属品を含めると約900 万円というから驚きだ。訪れたゲストはこの類まれなトローリーと同ホテルが織りなす極上の空間に酔いしれていた。
ザ・リッツ・カールトン京都
京都府京都市中京区鴨川二条大橋畔
TEL:075-746-5555