A Hotel Shaped by the City: The Park Lane Hong Kong, Autograph Collection

由緒を纏うアドレス、ザ・パークレーン香港 オートグラフ コレクション

December 2025

1974年に開業し、長くコーズウェイベイの中心にあるザ・パークレーン香港は、マリオット ボンヴォイ系列となり、オートグラフ コレクションとして再スタートした。更新されたのは運営の枠組みで、空気感は大きく変わっていない。ロビーでの佇まい、客室で過ごす夜、朝の時間を通して、街の只中にありながら落ち着きが保たれている点が、このホテルらしい。

 

 

text yuko fujita

 

 

 

 

 THE RAKEを象徴するウェルドレッサーのひとりであり、香港とニューヨークに世界最高峰のメンズウエアショップを構えるThe Armouryのオーナー、Mark Cho氏。古くからの友人でもある彼からショップの15周年アニバーサリーパーティに招かれ、今年3度目となる香港を訪れた。

 

 今回の滞在に選んだホテルは、銅鑼湾(コーズウェイベイ)にある「ザ・パークレーン香港 オートグラフ コレクション」。Bryceland’sのKenji Chung氏に連れていってもらってからすっかりお気に入りのレストラン「Ming(名廚)」からもすぐそばで、湾仔(ワンチャイ)にある愛用の下着店「Lee Kung Man(利工民)」からもメトロで1駅。そして何より、ホテル最上階にある、とっても雰囲気がよいと評判のルーフトップバー「SKYE Roof bar and Brasserie」がとても気になっていたので、非常に楽しみに向かったのだった。

 

 

 

 

 1974年に開業し、長くコーズウェイベイの中心で親しまれてきたザ・パークレーン香港は、2025年にマリオット ボンヴォイ「オートグラフ コレクション」として新たなスタートを切った。

 

 マリオット ボンヴォイには、JWマリオットやザ・リッツ・カールトン、セントレジス、W、シェラトンをはじめ、世界共通の基準とイメージを大切にするブランドが揃っている中では、オートグラフ コレクションは少し毛色が異なる。完成された型を当てはめるのではなく、もともとその土地で育ってきたホテルの個性を尊重しているのだ。

 

 運営やサービスの安定感はマリオットが担いながら、建物や空気感、街との関係性には手を入れすぎない。「ザ・パークレーン香港」が選ばれたのは、長年にわたりこの街とともに積み重ねてきた時間と記憶が、オートグラフの考え方と自然に重なっていたからだ。

 

 マリオットの一員でありながら、マリオット一色にはならない。その距離感こそが、今日のザ・パークレーン香港を最もよく表している。

 

 特筆すべきは、その個性を声高に主張しない姿勢にある。ロビーから客室、ダイニングに至るまで、空間は終始落ち着いており、高揚感で押し切るのではなく、滞在を重ねることで理解が深まっていくタイプのホテルだ。

 

 

昼は光が奥まで入り、夜は街の気配が静かに残るDelux Exextive Room。視線を遮らないガラス張りのバスルームが、部屋全体に広がりを生む。

 

 

 

 

 同ホテルを象徴する存在が、最上階27階にある「SKYE Roofbar & Brasserie」だ。眼下にはヴィクトリア・ハーバーと九龍半島の夜景が広がる。

 

 夕方から、仕事を終えたビジネスマンや、世界各地から集まったゲストたちが集い、それぞれのエネルギーが自然に重なっていく。会話と笑い声が行き交っていた。

 

 この日は、偶然か否か、ジャパニーズポップが流れていた。音楽と人の気配が重なり、なんともいえない心地良さがある。景色は常に視界にありながら、決して主役になりすぎることはない。この高さと角度で香港の夜景を望めるルーフトップバーは、香港島でも稀である。

 

 香港でも特にエネルギーが集中するコーズウェイベイの中心に位置すること自体が、このホテルの大きな武器だ。眼前にはヴィクトリア・パークの緑が広がり、その先にヴィクトリア・ハーバー、さらに九龍半島のスカイラインが連なる。都市の高い密度と、緑や水景がもたらす開放感を同時に味わえるこの環境は、単なる「便利な立地」という言葉では語り切れない。ここでは、ロケーションそのものがホテルの個性となり、滞在体験を決定づける。

 

 

ザ・パークレーン香港の開業50周年を記念して造られた限定プレミアムジン「PL50」。こちらはその「PL50」を使用したシグネチャーカクテル「Gloucester Road」。「PL50」に四川青山椒をインフューズし、ジャスミン緑茶とハーブを合わせており、香りはシャープで、余韻は驚くほどクリーン。

 

 

同じ27階にある「SKYE」のブラッスリーでは、クラシックなフレンチを軸にした定番料理が、現代的な感性で提供される。

 

 

今回ブラッスリーで食したディナーメニューの中で特に印象的だったのが、パスタではなくイカを使用した「Squid Carbonara」。

 

 

屋上の庭園では約100種類のハーブを栽培し、ホテル内のレストランやバーで使用している。ホテルの50周年を記念して生まれたオリジナルの限定ジン「PL50」も、ここのハーブを使用して作られている。

 

 

 

 ザ・パークレーン香港 オートグラフ コレクションのグランドフロアにある「Ebb & Flow」は、気取らず立ち寄れるカフェバー兼ラウンジだ。日中はコーヒーやペストリー、軽食を楽しめ、カジュアルなランチや午後のひと息にも使える。夕方以降はクラフトカクテルやワインを傾けるバーとしての顔も見せ、滞在中のさまざまなシーンで使い勝手のよい空間だ。

 

 このEbb & Flowの一角には、ホテルが長年続けているアートスペース「The Art Lab」が設けられている。ここではローカルアーティストの作品展示やコラボレーション企画が継続的に行われ、2025年は、著名アーティストから地元作家までを巻き込んだ特別な展示が展開された。The Fu Hong Society、Hereditary Breast Cancer Family Registry、Laureus Sport for Good Hong Kongといった非営利団体と連動した活動も行い、地域社会との関係性を強める取り組みが進んでいる。

 

 

26階に位置するエグゼクティブラウンジは、マリオット ボンヴォイのプラチナエリート以上の会員および上位カテゴリーの客室に宿泊するゲストのための空間だ。ヴィクトリア・ハーバーを望む眺めとともに、朝食や夕方のカクテルタイムが用意され、滞在のリズムを館内で完結できる。エグゼクティブルームやパークレーン・スイートの宿泊者が利用できる。

 

 

ラウンジからの眺めも美しい。

 

 

 

 ザ・パークレーン香港 オートグラフ コレクションに滞在したおかげで、いつにも増して快適な滞在となった。香港滞在時に、オススメしたいホテルだ。

 

 香港では、同じマリオット ボンヴォイの系列で、他にも素晴らしいホテルがあり、今回いくつか足を運んできたので、次回はそちらをレポートしたい。

 

 

The Park Lane Hong Kong Autograph Collection

ザ・パークレーン香港 オートグラフ コレクション

310 Gloucester Road, Causeway Bay, Hong Kong

TEL. +852-2293-8888

www.parklane.com.hk

 

 

最後に、THE ARMOURYの15周年パーティでのひとこま。ディナーの後の二次会、Pedder Buildingのショップに隣接するバーで、スピーチをするMark Cho氏。

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