THE IMPRACTICAL CHOICE: ROYAL PARIS COFFEE MAKER

高級すぎるコーヒーメーカー:ロイヤル パリ

October 2021

クラフトマンシップとカフェインを融合させた、世界で最も贅沢なコーヒーメーカーを紹介する。

 

 

 

by NATASHA DRAX

 

 

 

 

 ロンドンの中心部を歩いていると、“ピットストップ・コーヒーショップ”の黄金時代であることを実感する。最近は何でもそうだが、味や楽しさ、品質よりも、スピードや利便性、コスト効率が優先されているように思える。あなたが最後に座って、じっくりと味わいながら、一流のカプチーノを楽しんだのはいつだろうか?カフェイン中毒のフーリガンのようにスポーツバーでショットを飲み干すのではなく、エスプレッソをゆっくりと味わったのはいつだっただろうか?

 

 コーヒーは、その中毒性のあるカフェインのために、目覚めの一杯として世界中で愛されている。目まぐるしい生活の中で、私たちはおいしいコーヒーを飲む本来の目的、つまりおいしい“フレーバー”を見失っているのではないか。

 

 しかし、世の中のすべてのコーヒーが失われたわけではない。なぜならロイヤル パリ社の“ロイヤル コーヒー メーカー”が残っているからだ。9,000ポンドから24,000ポンドという驚くべき価格のこのコーヒーメーカーは、24カラットの金または銀と、クリスタルと半貴石の台座を持ち、丹念に手作りされている。世界で最も贅沢なコーヒーメーカーだと断言していいと思う。

 

 このコーヒーメーカーは、フランスのアーティスト、ジャン・リュック・リエトが19世紀の王室で使われていたバランスサイフォン式コーヒーメーカーを現代風にアレンジして、科学と華麗なデザインを融合させたものだ。贅沢で上質なコーヒー文化のクラフツマンシップを見事に体現している。

 

 コーヒーを淹れるという芸術は、熱、蒸気、重力といった科学的プロセスを用いたシステムによって、ひとつのセレモニーとなる。信じられないほど複雑で、時間がかかり、実用的ではないと思われるかもしれないが、率直に言ってその通りである。それだけの価値があるのかと聞かれれば、間違いなくあると言える。

 

 ロイヤル パリ社のマリア・ダンデマン氏は、次のように説明する。

 

「富裕層や著名人ために最高のものだけが用意されていた豪華な時代の、エレガントな味と香りを完璧に再現しています」

 

 私たちにとっても、これ以上の言葉は見つからない。この独創的な装置は、他に類を見ない風味のコーヒーを生み出す。コーヒーがカフェインを摂取するためではなく、富や地位を意味するデカダンで壮麗な時代に、時を戻すことができるのだ。

 

 愛好家の諸兄には、日々の仕事から離れて、ぜひこのコーヒーメーカーを試していただきたい。ラグジュアリーかつ特別なマシンを使って、あなたの朝を変えてみてはいかがだろうか?

 

 

www.royalcoffeemaker.com