THE CAPITOL HOTEL TOKYU “CHINESE RESTAURANT, HOSHIGAOKA”

料理長が1200km探訪して見つけた
北海道の厳選食材を中国料理で

July 2022

今、ザ・キャピトルホテル 東急では、才能あふれるシェフによる創造性に富んだ中国料理が進化を遂げている。

食材も技法も新しい、不易流行の真髄を見た。

 

 

text chiharu honjo

 

 

 

 

 料理人と生産者を結びつける“美味の宝庫”である北海道。その豊かな食材を味わい尽くす北海道食材フェアが「ザ・キャピトルホテル 東急」の中国料理「星ヶ岡」にて、8月31日まで平日のみの期間限定で催されている。

 

 伝統的な上海料理をベースとしながらも、和食や西洋料理の技法と知識を織り交ぜた料理でレストランを牽引するのは、若き料理長の山橋 孝之氏。旨い食材を探し出す目利きであり、新たな魅力を引き出す名手でもある。今回、山橋氏は極上のコースを創り出すために広大な大地と海の恩恵を受ける北海道へ自ら赴き、強い情熱を持った生産者と交流。総移動距離1,200kmの過程で手に入れた稀少な食材を直接取り寄せて、唯一無二のコースへと昇華させた。

 

 

 

 

 特筆すべきは、北海道から直接取り寄せた圧巻の食材。たとえば100年以上の歴史をもつ「たけなかファーム」の極太リーキ(ポロ葱)は、リーキが持つ甘みを最大限に際立たせて豆乳と合わせた絶品のスープ「冷製濃厚豆乳クリーム」へと姿を変えた。

 

 前菜は、北海道を囲む3つの海から集めた7つの海鮮による贅沢な一皿で、老酒漬の甘海老、北海シマ海老、雲丹など道内の漁港に届く新鮮な海の幸を華麗に盛りつけている。また、シグネチャー料理のふかひれの姿煮と帆立貝の煎り焼きが共演した香り高い逸品も堪能できる。

 

 旨味成分を多く含むことが帯広畜産大学によって証明されたアスパラガスを飼料にした「西川農場の“アスパラひつじ”」も使用。パリパリとしたキタアカリの衣の中に、粗挽にしたジューシーな羊肉を忍ばせた食感が楽しい、芸術的な蜂の巣揚げに仕上げた。そして青椒牛肉絲には、HACCP認証の良質な環境で一頭一頭大切に育てられた長沼ファームの「馬追(まおい)和牛」の驚くほど柔らかな食感のもも肉を使用し、軽やかに仕上げている。

 

 

写真中央:山橋 孝之 料理長(左)とたけなかファーム 竹中章氏(右)。

 

 

 山橋氏は、伝統的な中国料理を守りながら、日本の旬の食材や風土を大切にしている。「今回の視察では、北海道という広大な大地や3つの海の特長を活かしながら、その恩恵を最大限に引き出そうと人生を捧げている生産者と何度も出会うことができました。それらを通じて私の心も大いに刺激され、この体験から得た感動を自身の料理で少しでも多くのお客さまにお伝えできればと思っております」と述べる。

 

 期間中は、北海道生まれのホップであるソラチエースを使用したビール「SORACHI 1984」や、道産米を使用した北の勝の純米酒、北海道サイダー スパークリングアップル、ハスカップジュースといった限定のドリンクも揃う。8月1日からは旬を迎える蟹を贅沢に使った蟹づくしのメニューも登場するので、この時期にしか出合えない一期一会の料理を堪能したい。

 

 

山橋 孝之 料理長

1978年島根県生まれ。十代の頃から横浜中華街の飲食店やホテル内の中国レストランなどで研鑽を積み、2008 年ザ・キャピトルホテル 東急に入社。日本中国料理協会主催のコンクールでは 2018年銀賞、2019年金賞の実績を残す。自身の礎となる“伝統的な中国料理”を大切にしながらも、ときには和食や西洋料理の知識・技巧を織り交ぜ中国料理における不易流行を追い求め続けている。