THE INTERVIEW: THE ARMOURY’S ALAN SEE
アーモリーの“アラン・シー”
October 2019
———香港のブランドであるにもかかわらず、アーモリーのスタイルは非常にヨーロッパ的であり、東洋風の味付けしたことはありませんよね。将来、そういったことをする可能性はありますか?
「それはいい質問ですね。確かに、アーモリーは香港で生まれました。共同設立者のマーク・チョーと私は中国系です。私は“メイド・イン・ホンコン”が大好きで、“メイド・イン・チャイナ”が大好きです。私は中国の独自性、中国のスタイルを愛しています。
しかしここ香港では、そういう人は少数派です。日本に行くと、伝統的な衣装を着て歩き回っている男たちを見ることができます。それは現代の環境で見ても、とても美しいものです。私は以前招待されたブラックタイのパーティで、中国の伝統的盛装服を着ました。これは、より多くの人が着るべき美しい衣装です。
実際、私たちは結婚式の衣装をお選びになる方々に、中国伝統服のオプションを提供しようとしています。彼らは私たちにとって非常に大切なお客様です。その多くは、西洋のオプション=タキシードやモーニングコートを選択します。もちろん私たちは、それらの着方について、アドバイスをします。しかし中国人なので、中国の伝統服を着て、エレガントでクラシックに見える方法をお教えする必要があるとも思います。
しかし、中国の伝統服を作ることが出来る職人は、本当に僅かなのです。仕立て服業界よりもさらに人がおらず、本当に死にかけている業界です。中国服を作る多くの職人たちは、すでに亡くなってしまいました。ですからオプションとしてご提供できるようにすることはとても大変ですが、私はそれをやり遂げたいと思っています。適切なパートナーを見つけ、正しい方法でビジネスをし、その伝統にふさわしい敬意を払う必要があると思うのです」
THE RAKE日本版の1周年パーティで、中国服に身を包んだアラン(中央)