THE 300th BIRTH ANNIVERSARY OF THE FOUNDER PIERRE JAQUET DROZ

ジャケ・ドローの
歴史と美学を知る3つの柱

Wednesday, July 21st, 2021

 2021年の今年、創業者ピエール-ジャケ・ドローの生誕300周年を迎える時計ブランド、ジャケ・ドロー。彼は、啓蒙思想の時代といわれる18世紀、まだ時計の黎明期ともいえる時代に、圧倒的な才能を発揮していた。その情熱と技術を現代に継承するジャケ・ドローの美学とその魅力を紐解く。

 

 

ピエール-ジャケ・ドロー生誕300周年記念モデルとして発表された「グラン・セコンド ムーン」。ブランドのアイコンとして人気のモデルを、男女問わず着用できる新サイズ41mmサイズとした。マットブラックダイヤルのモデルは、ムーンフェイズの背景もブラックとし、アプライドインデックスを採用。同じくマットブラックのカーフレザーストラップと相まって、よりモダンで洗練された印象となった。伝統と現代性を融合させる同社の世界観をぎゅっと凝縮させたような、象徴的な1本だ。自動巻き、18KRGケース、41mm。¥3,333,000 Jaquet Droz

 

 

 

1. アイコニックなデザインを生み出した「グラン・セコンド」

 ジャケ・ドローというブランドを最も象徴する、馴染みあるコレクションが2002年より続く「グラン・セコンド」である。時分表示とラージ・セコンドのふたつのインダイヤルを重ね、数字の「8」の形状に配置しているのが大きな特徴だ。このシンプルで端正かつ時代を超越したデザインは、ピエール-ジャケ・ドローにより開発された「グラン・セコンド」に由来する。彼は当時、この配置に合わせて全く新しい機構を考案し、時間を一瞬一瞬のかけがえのない「時」に演出する斬新なコンセプトを生み出した。以降、調和と完全を象徴する数字の「8」はブランドのキーナンバーとなっている。

 

 

ピエール-ジャケ・ドロー生誕300周年記念の新作「グラン・セコンド ムーン」。こちらはアイボリーカラーの高温焼成エナメルダイヤルを採用した、伝統的な特徴を宿したバージョン。星空をイメージさせるブルー背景のムーンフェイズに合わせ、ダークブルーカラーのアリゲーターストラップを採用。ローマ数字インデックスやレッドゴールドとの組み合わせとし、クラシックにまとめあげている。自動巻き、18KRGケース、41mm。¥3,454,000 Jaquet Droz

 

 

 

2. 時計を芸術品に昇華させる「アトリエ・オブ・アート」

 ピエール-ジャケ・ドローが1738年に時計工房を開業したのが、スイスのラ・ショー・ド・フォン。そこで彼は、ヨーロッパ中の宮廷貴族へ納めたエナメルをダイヤルに使用した装飾性の高い時計を製作していた。このノウハウを受け継ぐジャケ・ドローは、現在もこのラ・ショー・ド・フォンに本社を置いており、その中にはアーティストと呼べるほどの専門技術者たちが所属する「アトリエ・オブ・アート」が存在する。独創的な表現の限定モデルは、エナメルの細密画やエングレービング、パイオン装飾などを駆使して、職人の手仕事によりひとつひとつ生み出されているのだ。

 

 

『ロード・オブ・ザ・リング』や『ホビット』のコンセプチュアル・アーティストとして知られるジョン・ハウ氏とのコラボレーションにより生まれたアトリエ・オブ・アートの新作「プティ・ウール ミニット “ドラゴン”」。ドラゴンの第一人者である氏のデッサンをもとに、ジャケ・ドローの職人がひとつひとつ手描きで再現している。写真のレッドゴールドモデルのほか、ホワイトゴールドモデルもあり。それぞれ世界限定 18本。自動巻き、18KRGケース、41mm。¥4,411,000 Jaquet Droz

 

左から:ゴールド製のローターにもドラゴンの彫刻が手作業で施される。鱗で覆われたドラゴンの尻尾を表現/時分表示をオフセンターに配置することで生まれるスペースに、細密画でとぐろを巻くドラゴンを描く。ダークブルーのエナメルダイヤルから浮かび上がる姿には立体感がある/ドラゴンの皮膚の質感までもが繊細に描かれている。舌のみに彩色された鮮烈な赤が際立つ。

 

 

 

 

3. コンピュータの祖先ともいわれる複雑機械“オートマタ”

 ピエール-ジャケ・ドローは天才時計職人として活躍する一方で、オートマタの製作でも活躍した。オートマタとは機械仕掛けで動くからくり人形のことで、実際に絵を描く人形やオルガンを演奏する人形など、数千の部品を組み合わせた非常に複雑な作品だった。彼はその技術を時計製造にも取り入れており、例えば鳥のさえずりの表現を組み込んだオートマタ「シンギングバード」などが有名である。現代のジャケ・ドローもまた、この世界最高峰のオートマタの技術を武器とし、複雑機構と芸術性を融合した、他に類を見ないような時計をコンスタントに発表している。

 

 

満を持して今年発表されたのは、ブランド発祥の地ラ・ショー・ド・フォンの渓谷を舞台とした「バード・リピーター ピエール-ジャケ・ドロー 生誕300周年記念モデル」。指折りのハイ・コンプリケーションとして知られるミニッツリピーター機構が作動する間、コマドリのカップルとヒナドリ、そして卵が生き生きと動き出す仕組み。繊細な音色と絵画のような美観がストーリーを紡ぎ出す、壮大なタイムピースだ。世界限定8本。手巻き、18KRGケース、47mm。¥62,766,000(予価/7月発売予定) Jaquet Droz

 

 

ケース向かって左側のレバーでミニッツリピーターが作動。時刻を音で知らせる間、鳥たちが命を吹き込まれたかのように生き生きと動き出す。文字盤にはホワイト マザー オブ パールとブラック オニキスを配置。レッドゴールドの彫金細工や彩色もすべて職人による手作業で施される。ジャケ・ドローが誇る技術力が結集した、特別な“芸術作品”だ。

 

 

 

 機械としても芸術作品としても美しいジャケ・ドローの時計。これらの魅力は、やはり実物を目にして感じ取りたいもの。7月1日にリニューアルしたばかりのニコラス・G・ハイエック センターに位置するジャケ・ドロー ブティック銀座では、8月1日まで、ピエール-ジャケ・ドロー生誕300周年記念フェアが開催されている。ここで紹介した新作「グラン・セコンド ムーン」や「プティ・ウール ミニット “ドラゴン”」をはじめ、グラン・セコンドの人気モデルや希少なオートマタが一同に展示される。この機会に、ジャケ・ドローの真髄を実際に目にしてほしい。

 

 

ピエールジャケ・ドロー生誕300周年記念フェア

ジャケ・ドロー ブティック銀座にて8月1日(日)まで開催中

 

ジャケ・ドロー ブティック銀座

東京都中央区銀座7-9-18 ニコラス・G・ハイエックセンター4F

TEL.03-6254-7288

営業時間:11時~20時(日曜日・祝日は~19時)不定休

www.jaquet-droz.com