PATEK PHILIPPE 2022 NEW MODELS

パテック フィリップ レディスモデル:輝きと彩りの魔法

January 2023

艶やかな色彩に心奪われる《レインボー》としっとりと優雅な「ノーチラス」は、豊かで闊達な女性像を映し出す。

 

 

 

text KIYOKO KOBAYASHI 

photography JUN UDAGAWA(メインカット)

 

 

 

アクアノート・ルーチェ《レインボー》クロノグラフ 7968/300

初のレディス用自動巻きクロノグラフ、キャリバーCH 28-520を搭載。ベゼルのダイヤモンド(計2.05ct)×マルチカラー・サファイア(計2.31ct)のレインボー・グラデーションが美しい。アクアノート・パターンを刻むマザーオブパール文字盤にマルチカラー・サファイアのアワーマーカー、ローズゴールド植字数字が調和。レッド、マット・ベージュ、マット・ホワイトのストラップが付属。自動巻き、18KRGケース、39.9mm(10-4時位置)

 

 

 

 高揚する気分を持続させる「アクアノート・ルーチェ 《レインボー》 クロノグラフ」は、これまでのパテック フィリップのレディスウォッチの基準を超え、一挙に女性の自由な精神を解放する。本格派のクロノグラフでありながら、纏うのはジュエリーであり、スポーティなテイストも忘れない。ラグジュアリーの最先端を行きながら、素晴らしい機能が搭載されているのである。

 

 パテック フィリップは決して時計としての本質的な美しさを置き去りにしない。ベゼルとダイヤルの調和の取れた色彩とアワーマーカーのポエティックな優美さ、そして何よりも目を惹くのは内側にダイヤモンド、外側にマルチカラーのサファイアをレインボーにインビジブル・セッティングした色彩のグラデーション。この「虹」に込められた思いには誰もが共感するだろう。鬱屈するような世界情勢やパンデミックの影響を受けて、「希望」や「願い」をどのように表現できるのか。《レインボー》はその輝きで悪夢を払拭し、時を力強く刻むことでこれに応えた。晴れやかな美しさは鮮やかなコンポジット素材のレッド、スポーティなマット・ベージュ、マット・ホワイトのストラップによってコントラストを際立たせる。《レインボー》を身に着けるとき、女性は自身の心映えに忠実になり、ストラップを選ぶ楽しみに浸る。またサファイアクリスタルのケースバックからはキャリバーCH 28-520が着実に鼓動を刻むのが見える。密かな満足と気分を前向きにするこの《レインボー》を所有する女性は、幸運を摑むに違いない。

 

 同時に発表された新作の中でもう1本、特筆すべき美しさの婦人用タイムピースを紹介したい。「ノーチラス・ハイジュエリー」である。6気圧防水の自動巻きでありながら、これまでの「ノーチラス」とは一線を画し、ジュエリーの輝きによって端正で豊かな表情を醸し出す。思わず手に取りたくなるような優美な色彩と知的なデザインがミニマルな第一印象を与える。しかし、ディテールのそこここに美しさの秘密が隠されている。ガーネット科の宝石であるスペサルタイトのバゲットカット68個が《シャンパン》から《コニャック》カラーまでベゼルを芳醇に彩る。色合わせの妙といい、セッティングの緻密さといい、確かにジュエリーのエッセンシャルな美しさを体現している。さらに、ケースのローズゴールドとの色のバランスや視認性についても手を抜かない。ブラウンの長針、短針が指し示すアワーマーカーは、オジーヴ型の《コニャック》カラーのスペサルタイトが爪留めされている。

 

 パテック フィリップは必要な色彩に対してその美学を貫く。惜しむことなく宝石を使い、機能を着実に発展させる。だがそのスタイルはタイムレスであり、揺るがない。ケースバックから見るキャリバー324 S Cもジュエリーのように美しい。時計にジュエリー同等の美学とクオリティを加味した「ノーチラス・ハイジュエリー」は高い審美眼を持つ女性に愛され続けるだろう。そしてそれは世代を超えて受け継がれる美しさなのである。

 

 

 

ノーチラス・ハイジュエリー 7118/1300

1976年誕生の「ノーチラス」は、数ある名作時計の中でも際立ったモダニティを示す。このタイムレスなデザインは「ノーチラス・ハイジュエリー」の芳醇な美しさへと再解釈された。ベゼルには新採用のスペサルタイトが施され、《シャンパン》から《コニャック》カラーまでグラデーションを描く。アワーマーカーにはオジーヴ型の《コニャック》を配した。サファイアクリスタルのケースバックからは、キャリバー324 S Cの精緻な作りを楽しめる。特許取得の折り畳み式バックル付きブレスレット。自動巻き、18KRGケース、35.2mm(10-4時位置)

 


 

 

THE RAKE JAPAN EDITION issue49