SUEDE REIGNS IN AUTUMN

秋はスエードの季節

September 2020

野生味と同時に、チャーミングで洗練された魅力を持つスエードは、この秋の装いの最注目株となることだろう。

 

 

by freddie anderson 

 

 

 

 

 今、1970年代にインスパイアされた、よりソフトでカジュアルなスタイルが静かに復活している。

 

 クリーン・カットやソリッド・デザインなど、ファッション界は長きにわたりミニマリズムが支配してきた。しかし、その行き過ぎたシンプルさが、個性を殺してしまっていたことも事実だ。

 

 人々は、装いのユニークさを取り戻したいと思い始めた。トレンドは、より深いテクスチャー、派手な色使い、ドラマチックな形の服へとシフトしている。ミニマリズムの基本はシンプルさなので、70年代風とは相容れないものだ。

 

 70年代は、ポップカルチャーと政治が激突した複雑な10年だった。女性の権利運動、ストライキ、ウォーターゲート事件の時代であり、それらがグラム・ロックの出現と混ざり合っていた。

 

 スエードは、そんな70年代を代表する素材だ。やや扱いが難しく、メンテナンスが必要だが、スエードには魅力的な点がたくさんある。艶やかで快適、そして冒険心に満ちている。

 

 腕のいいメンズウェア・デザイナーの手にかかると、そのメンテナンスのことなど問題にならなくなるほど、魅惑的なジャケットが生まれる。

 

 今回THE RAKEは、世界のトップ・ブランドから、スエードのコレクションを紹介できることを幸運だと思う。

 

 

 “アルフレッド・リフージオ”ほどスエードの魅力を表現できるブランドはないだろう。“ハンドメイド・レザージャケットの王様”として知られる彼は、50年以上にわたってイタリアのクラフトマンシップを代表する、不屈の存在であり続けている。

 

 スエードは季節を軽やかに移行する、他の追随を許さない能力を持っている。リフージオのジャケットの多くは、袖のボタンホールを含めて1,800針以上のステッチが施されており、ブランドの技術レベルの高さを物語っている。

 

 晩夏から秋かけては、アルフレッド リフージオのジャケットを着るのに最適な時期である。ジャケット1枚でも十分に暖かく、オーバーコートは必要ない。

 

 近年、ボンバージャケットは、サブカルチャーの世界を超えて、現代人のワードローブの主役となってきている。スエードのボンバージャケットは、秋には非常に着回しの効くアイテムであり、リフージオのデザインは、他のどんなものよりも洗練されている。

 

 

Brown Suede A1 Jacket Beige Suede Handmade Cargo Pocket Bomber Jacket
ALFREDO RIFUGIO

Brown Suede A1 Jacket

$ 3,285

ALFREDO RIFUGIO

Beige Suede Handmade Cargo Pocket Bomber Jacket

$ 2,135

 

 

 ジーンズに合わせてもいいし、テーラード・トラウザーズやドレスシューズを組み合わせれば、スマートなカジュアル・ジャケットとしても使える。

 

 このブランドのボンバージャケットは、ベージュからネイビーまでさまざまな色合いがあり、クラシックなボンバージャケットから、ハンドメイド・カーゴ・ポケットがついたモデルまで、多くのデザインの中から選ぶことができる。

 

 

Light Brown Iconic Handmade Suede Blazer
ALFREDO RIFUGIO

Light Brown Iconic Handmade Suede Blazer

$ 2,540

 

 

 

 少しスマートな装いには、ナポリでハンドメイドされた、ライトブラウンのスエード・ブレザーがおすすめだ。贅沢で実用性に優れたユニークな1着だ。

 

 フリージオのスエードは、フライト・ジャケット、ハリントン・ジャケット、より長い丈のサファリ・ジャケットなどバリエーションが多く、非常にソフトでしなやかな質感のものが揃っている。

 

 

 

 ロックンロール、カウンターカルチャー、反抗的な態度、テストステロンまみれの男らしさの代名詞となっているブランドが“ショット”だ。彼らは紛れもなくクールなスエード・ジャケット作っている。

 

 ペール・ブルーのゴートスエードのボンバーは、若い頃のポール・ニューマンのような、瑞々しく爽やか魅力を表現できる。このジャケットは、その美しいブルーの色合いが、他のどんな色調にも完璧に溶け込む。着こなしの中心的な存在になるだろう。

 

 淡いブルーが苦手な方には、サビ色やダークベージュもあり、マーロン・ブランドが着用していた茶色のスエード・ジャケットを彷彿とさせる。

 

 

Dark Beige Goat Suede Bomber
SCHOTT

Dark Beige Goat Suede Bomber

$ 420

 

 

 

 季節の変わり目、青々とした緑の葉がまだ木々に残っている頃、街から街へと移動する際には、軽量のスエード・ジャケットの使い勝手がいいだろう。

 

 イタリアの“ヴァルスター”のグレイ・スエード・ジャケットは裏地がなく、軽量感と通気性を実現している。ベロー・パッチポケットやボタン留めのフロントなどが特徴だ。ミラノを拠点とするブランドに期待されるような、こだわりのディテールをすべて備えている。

 

 

Grey Unlined Suede Jacket
VALSTAR

Grey Unlined Suede Jacket

$ 1,170

 

 

 ワードローブを考えると、季節の変わり目は何を着るか、なかなか難しいところだ。しかしテーラード・スエードジャケットに投資することで、うまく乗り切ることができる。それは洗練さと反骨心をミックスさせた、本物のスタイルである。