Silvia Damiani Interview
シルヴィア・ダミアーニ氏インタビュー
ジュエリーに囲まれて
育ったプリンセス
May 2019
シルヴィア・ダミアーニ
1924年創立のイタリアの老舗ハイジュエリーブランド、ダミアーニ・グループ副社長。ダミアーニのコミュニケーションを総括する他、傘下のヴェネツィアングラスブランド、ヴェニーニのアートディレクションも担当する。
今年創立95周年を迎えたイタリアのハイジュエリーブランド、ダミアーニは“唯一無二”の存在である。百年近い歴史を持ち、なおかつ今でも創立者一族によって経営されているジュエラーは、イタリア広しといえども、ダミアーニしかないのだ。
多くのブランドが、巨大コングロマリットに吸収合併され、マーケティング偏重主義となってしまった今、創立以来の伝統を守り続けるダミアーニの存在は貴重だ。今回はそのオーナー一族、ダミアーニ三兄弟の紅一点、シルヴィア・ダミアーニ氏にインタビューする機会を得た。
「私は物心ついたときから、ジュエリーに囲まれて育ちました。子供の頃は、そんなに高いものだとは知りませんでしたが、皆が大切に扱っているのを見て、決して傷つけてはいけないものだと思っていました。子供の頃から、ジュエリーの持つ美しさに魅了されてきました。たぶんジュエリーを美しいと感じるのは、人間の本能なのだと思います。子供でも、その美しさはわかるのです。だから古代から現代に至るまで、人々はジュエリーを身につけてきたのでしょう・・」
生まれながらにして、ジュエリー界のプリンセスだったシルヴィア氏は、その後ファミリーの一員として、ブランドの発展のために力を尽くしていくことになる。
「弟で長男のグィドが会長、次男のジョルジョと私がグループの副社長を務めています。私たち三兄弟はとても仲がいい。これがダミアーニの持つ一番の“財産”だと思っています。ファミリー企業のいいところは、自然と同じ目標を共有できるところですね。われわれは百年間続いてきた“美”に対するDNAを受け継いでいます。そこが他のブランドと決定的に違うところでしょう」
ダミアーニ三兄弟。左から、グィド、シルヴィア、ジョルジョの三氏。