Rake in Progress: Nico Mirallegro
【インタビュー】俳優ニコ・ミラレグロ:「忍耐力」が私を変えた
November 2024
これからの活躍が期待される若手にスポットライトを当てる「レイク・イン・プログレス(Rake in Progress)」。今回は俳優ニコ・ミラレグロを取り上げる。彼は最近、パラマウントプラスのドラマ『Stags』でキャリア最大の仕事を成し遂げたばかりだ。今回のインタビューでは、マンチェスター出身の彼は、何事においても「忍耐」が重要であると語ってくれた。
author charlie thomas
creative direction brandon hinton
fashion direction grace gilfeather
photography dan carter
ニコ・ミラレグロは自信に溢れている。それは自分の道が正しいと信じているからである。彼は忍耐とよい仕事を待つことの重要性について語り、ネガティブな思考をポジティブに変えることがキャリアに役立つと述べている。しかし現実主義者でもあり、撮影現場に初めて立つときには不安を感じることも認める。
「皆、最初は恐怖を感じるんだ」と彼は語り、緊張感の中で意識的なコントロールを演技に加えることがキャラクター作りに役立つと説明している。
このテクニックはニコ・ミラレグロのさまざまな役で役立ってきた。彼は2007年に英国のTVドラマ『ホーリーオークス』でブレイクし、その後ドラマ『マイ・マッド・ファット・ダイアリー』でジョディ・カマーと共演するなどコメディドラマにも進出している。他には、BBCのドラマ『The Village』や『リリントン・プレイス エヴァンス事件』に出演し、長編の英国アカデミー賞受賞作ドラマ『Murdered for Being Different』にも登場している。
ミラレグロの最新作は、これまでで最も大きな役となるパラマウントプラスのスリラー『Stags』である。彼は新郎役のスチュを演じ、アシム・チャウドリーやチャーリー・クーパーと共演している。物語は南米でのスタッグ・パーティー(独身最後のパーティー)の後、帰国途中に空港で事件に巻き込まれ、彼らが犯罪者やギャングが巣食うスラムの刑務所に閉じ込められる展開となる。予期せぬ惨劇やサプライズが続き、観客を魅了する。
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俳優としてのキャリアをスタートさせたきっかけ、そして演技に対する情熱はどこから生まれたのでしょうか?
「私の演技への情熱は、両親が転々とする環境で育ったことに由来するでしょう。姉のクラウディアがマンチェスター・スクール・オブ・アクティングの演劇クラスに通い始めたのは、私が16歳の時でした。1つ年上の姉が演劇を通して自分を表現していることに、私はとても興味をそそられ、また少しうらやましくも思いました。そこで彼女が私をそのクラスに参加させてくれたのです。しかし、私は教室の隅っこで、まるで恥ずかしがり屋の小ネギのようにしていました。するとある日、キャスティング・ディレクターがやって来て、台本を私に投げ、一緒に読んでみろと言いました。私はそれを読みました。すると彼は『月曜の朝にオーディションがある』と言ったのです。本当に、その日からすべてが動き出したのです」
『Stags』はどんなドラマですか?
「ブラックコメディ・スリラーです。南米で行われたスタッグ・パーティーから帰国途中の友人グループが、空港でトラブルに巻き込まれ、シャッターアイランドのような刑務所に連れて行かれるというストーリーです。登場人物たちは恐ろしい刑務所を予想していたのですが、到着してみると、そこは半開放型の奇妙な施設で、いかつい男たちがうろついているものの、刑務所の壁はありません。まるで『ここはテーマパーク? それとも刑務所? なぜみんな食事をしたり、トランプで遊んでいるのか?』という感じです。それから、このシリーズはテンポが速くなり、サバイバルのような展開が続いていきます」
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驚くような瞬間が満載です…
「最初にダニエル・カレンの脚本を読んだとき、これは何なのだろうと思いました。しかし、真実味があり、共感できるものだとも感じました。突然、誰かが吹き飛ばされたり、撃たれたりしたかと思えば、コメディシーンもあるのです。これはドラマなのか? ホラーなのか? コメディなのか? と観る者を不思議な気分にさせるでしょう。しかし、多くの側面を持つというのは面白いことだと思います。最高のドラマとは、さまざまな要素を併せ持つものではないでしょうか。多くのジャンル、問題、楽しさ、混沌が積み重なっているのです」
人生で学んだ最大の教訓は何ですか?
「個人的には、忍耐力が一番大きいですね。私は常にすぐに何かを達成したいタイプでした。昔はサッカーチームのトライアウト、それから俳優の仕事です。社会にはステージごとに何かを達成しなければならないというプレッシャーがあり、同世代の人や友人と自分を比較してしまいます。しかし、私は忍耐によって、それを克服することができました。辛抱強く、物事の浮き沈みを許容し、世の中のあらゆるものに対して心を開くのです。そうすることで、去っていくものを諦めることができるようになりました。素晴らしいプロジェクトに関われそうになることもありますが、途中でうまくいかなくなることもあります。しかし、それはそれでいいのです。なぜなら、すぐにもっと素晴らしいプロジェクトがやってくるからです。そのときにしっかりとチャンスを掴むことが大切です。私は、15年から20年もの間、世の中の浮沈を経験することで、忍耐力が身に付いたと思います」
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マンチェスターを訪れたら、何をすべきでしょうか?
「何よりもまず、街を歩き回ることです。古い伝統的な建物がたくさんありますし、マンチェスター市の中心部スピニングフィールズにはローマ時代の建造物もあります。その他にも、とても素敵なレストランがあります。『Higher Ground』という季節限定のレストランは、ぜひお試しください」
今年、最も楽しみにしていることは何ですか?
「『Stags』の放映をとても楽しみにしています。なぜなら、初めて主役を演じる機会を得たからです。編集したものを見て、とても誇らしく思っています。今は、少し自分の日常生活に戻って、バランスを取っているところです。また、執筆活動も始めました。将来は自分の作品を作ってみたいと思っています。しかし、書いてはいますが、自分自身にプレッシャーをかけているわけではありません。やりたいと思ったので、取り掛かっただけです。それは自分のなかでのセラピーのような感じです」
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