QUEEN ELIZABETH – CUNARD

限られたゲストのための社交場
「クイーン・エリザベス」での優雅な旅

June 2022

 

 

 船内でのエンターテインメントは、ミュージカルやカジノ、クイズ大会、ダンスレッスン、アートレッスン、ブリッジ大会、朝のフィットネスクラスなどなど、書ききれないほど幅広いラインナップで用意されている。

 

 特にクイーン・エリザベスにおいては、アフターヌーン・ティーは外せない。英国本場の格式と伝統を感じられるひと時である。毎晩、ダンスホールとしても使用される「クイーンズ・ルーム」で、毎日15時半から16時半に行われるものなのだが、サーブスタッフが白い手袋をつけて各テーブルをサービスしてくれる光景は圧巻。英国伝統のスコーンやサンドウィッチ、そして入れたての紅茶とともに、ゆっくりと午後のティータイムを楽しみたい。お茶だけでなくシャンパーニュ(有料)も用意されるのも嬉しい。

 

 

サーブスタッフが各テーブルを回って紅茶やスコーン、サンドウィッチなどをサーブしてくれる。

 

 

「ロイヤル・コート・シアター」。ここでは、ミュージカルや映画上映、ライブ・ショーなどが催される。上にはボックス席もあり、エリザベス女王が命名式の際に着席したのは15番のボックス席だとか。

 

 

 また、広いダンスホールを擁している船はあまり見られない昨今、クイーン・エリザベスのボールルーム「クイーンズ・ルーム」は別格。毎晩テーマの異なるダンスパーティが開催される。流れるミュージックも日々異なり、ビッグバンドによる生演奏もあれば、70年代80年代のディスコミュージックなど、ゲストを飽きさせることがない。

 

 

 

ボールルーム「クイーンズ・ルーム」でダンスに興じるゲストたち。この日のドレスコードは「Gala Evening」だったため、人々はフォーマルなドレスアップを存分に楽しんでいた。

 

 

 いずれも館内で行われるエンターテインメントやアクティビティについては、毎晩客室に配られる「Daily Programme(船内新聞)」にすべて記載されているため、それを見て、次の日の予定を立てるのがいいだろう。

 

 船内でダンスレッスンなどのアクティビティに参加するのもいいし、寄港地で観光するのもいい。バーや客室、スパなどでゆっくり過ごすのも最高だ。

 

 

眺望も素晴らしいライブラリーには、約8000が冊所蔵されており、英語の書籍だけでなく、日本語の書籍も揃っている。

 

船内でのアクティビティの一例。詳細が書かれている船内新聞を見て、翌日の予定を決めたい。

 

 

 船旅を楽しむ上で何よりも忘れてはならないのが、ドレスコードの存在だ。クイーン・エリザベスの場合、ドレスコードが設定されているのはディナータイム以降(翌日のドレスコードも、毎晩配られる「Daily Programme(船内新聞)」をチェック)。ディナーやバー、ダンスホールなどへ出かけるときである。特定の場所は、ドレスコードが定められていないため、気を休めたい時にはそういった場所を利用したい。

 

 基本的なドレスコードは「Smart Attire(スマート・アタイアー)」と「Gala Evening Attire(ガラ・イヴニング・アタイアー)」のふたつ。スマート・アタイアーの場合には、トラウザーズにシャツやジャケットを着用し、ネクタイは適宜。ガラ・イヴニング・アタイアーでは、ディナージャケットやタキシード、ダークスーツに、ネクタイやボウタイを身に着けるフォーマルスタイルを。ドレスコードを守った上で、自分らしい装いを楽しみたい。

 

 なお、日中は特にドレスコードは設けられていないが、ダメージジーンズやショートパンツ、袖のないTシャツ(ジムやスパ、プールエリアを除く)などは避けるのがマナーである。

 

 

各客室に配られる「Daily Programme(船内新聞)」の表紙右上に「Tonight: Smart Attire」もしくは「Tonight: Gala Evening Attire」と、翌日ディナータイム以降のドレスコードが記載される。前者の場合には、ジャケットやシャツにトラウザーズを。後者の場合には、フォーマルスタイルを。男性のフォーマルウェアに限っては、船内でレンタルも可能だ。客室でルームサービスを楽しむときや、ブッフェ・レストランやカジノ、パブなどの特定の場所では、カジュアルに過ごすこともできる。

 

 

 

 キュナードでは10日〜20日前後のクルーズが多く、その中で3〜4日に一度くらいの頻度でドレスアップをする機会がある。その時その時のオケージョンを楽しむイギリスらしさが大切にされているのだ。

 

 きっと一度乗船してみると誰もが実感することだと思うのだが、私はクイーン・エリザベスに乗船してみて、“全ゲストが装うことを大いに楽しんでいる”と強く感じた。

 

 カジュアル化が進んでいる現代であっても、ゲストたちがフォーマルなドレスアップを楽しんでいるクイーン・エリザベスに乗船すると、いつも以上に背筋が伸びる、そんな新鮮な感覚を味わわせてくれるのだ。

 

 自分が身につけているものがきっかけとなって、他国からのゲストとの会話も弾むことだろう。逆に、素敵な装いのゲストがいたら、「素敵ですね」なんて一言声をかけてもいい。ちょっとした会話がきっかけで顔見知りになり、その後も船で感動的な再会を果たすこともあるという。

 

 そしてこれは、クルーにおいても同じ。まるでひとつの家族のように、「おはよう」「こんばんは」、「おかえりなさい」と言って迎えてくれる。旅以上のものが、ここにはあるのだ。

 

 アペリティフやディナーを楽しんだ後、頼んだドリンクを片手にダンスホールへ出かけたり、カジノへ出かけたり、はたまたシアターに出かけたり。船がひとつのエンターテインメント空間と化す。だから、ゲスト一人一人が主役となる。

 

 船旅とは、ただ船で旅をすることではない。あくまでも、ひとつの船に乗り合わせたゲストのみが参加できる社交場であり、心ゆくまでドレスアップできる楽しみに満ち溢れているのだ。

 

 装うことを思う存分楽しめる船旅は、陸路とはまたひと味もふた味も違う、豊かな時間を約束してくれるだろう。

 

 

Cunard

www.cunard.jp/(日本語サイト)

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