ON A ROLL: WHEELERS. V
ニューヨークを感じさせる
“アスレジャー”ウエア
August 2020
by ryan thompson
Wheelers. V〈ウィーラーズ ヴィ〉はラグジュアリーとレジャーの要素を兼ね備え、日常に不可欠なデイリーウェアを最高品質のファブリックで生み出している。そしてそれらはすべて、ニューヨークの中心で心を込めてつくられている。
“アスレジャー”。おかしな言葉だと思うだろう。
テーラーの生活や職人の芸術、アーティストの技術を支持してきた雑誌であるTHE RAKEが、なぜそんな造語を使うのかと。実はアメリカの中流階級で、トラックスーツが流行した60年代後半以降から、アスレジャーは現代の紳士服にとって、なくてはならない存在になっている。そしてアスレジャーはゆっくりと、ラグジュアリーな路線へと変化を遂げている。ごく最近では高級ファッションブランドが、ナイキやアディダスのようなブランドからヒントを得て作品に投影し始めた。
それでもまだ疑問は残るだろう。典型的なサルトリアルのワードローブのどこにそれらは入り込めるのだろうかと。ニューヨークブランドであるWheelers. V〈ウィーラーズヴィ〉はある重要な提案をしている。そしてTHE RAKEはそれに賛同する。
クラシックをモダナイズする、というアイデアを基本とし、Wheelers. V〈ウィーラーズヴィ〉は2014年に設立された。毎日の必需品を最高の品質のファブリックを使用して作り上げると謳っている。しかし、失敗に終わったファッションブランドで溢れかえる墓標を見れば、アイデア、デザインから実際のパターンへの転用が、いかに見かけよりも複雑で難しいことであるとわかるだろう。快適さと見栄えの素晴らしさの両者を意図しデザインすることは非常に困難だが、Wheelers. V〈ウィーラーズヴィ〉はそれらをかなえたブランドのひとつだと言えるのだ。
パフォーマンスを高めるために、天然のコットン、また機能素材をブレンドした生地を使用することが多いこのブランドの作品は、今日のファストファッションには代わることのできない寿命の長さを約束する。今シーズンももちろん例外ではなく、軽量の裏起毛フリースでリラックスしたアイテムをキーアイテムとして提案している。これらは普段、いわゆる”スポーツウェア”を避けようとする紳士達に、アクティブなカジュアルウェアとの長きにわたる新しい関係を築く機会を提供してくれるだろう。
このブランドの洋服は、ニューヨークの個性を表している。シンプルな黒、白、グレイの落ち着いた色彩が、卓越した職人達の技術によって縫製されている。控えめなシルエットは、非常に速いスピードで移動する都市において、必要とされるシンプリシティを反映している。
バラク・オバマはかつて、信頼できるシンプルなアイテムを着ることが成功の秘訣であると語っていた。
「私は何を食べ、何を着るかを決めたくない。他に決めなくてはいけないことが多すぎる」
特に旅行中、これは多くの人に当てはまるだろう。誰しも見栄えの良さをとるのか、時間効率をとるのかという究極の選択を迫られたくはないと思うが、Wheelers. V〈ウィーラーズ ヴィ〉の時代を超越したデザインと優れた品質は、ドレスダウンをドレスアップのように感じさせてくれる。
創設者のJP Parkは、「Wheelers. V〈ウィーラーズ ヴィ〉のアイテムはジェットセッターには欠かせない」と表現する。その美学はモダン、豪華、そして快適であり、「世界の男性のためのニューヨーク・スタイル」を提案しているが、彼の作品はまた、家で過ごすルームウェアとしても完璧だと言える。Wheelers. V〈ウィーラーズ ヴィ〉のコレクション、スウェットパンツ、Tシャツ、スウェットシャツなどは、週末の寛ぎ、旅行、エクササイズなど、何にでも頼りになるリラックスしたワードローブとなり得るだろう。