OMEGA: MY CHOICE - SERGIO GUARDÌ
オメガ – 私の選択 Vol.5
セルジオ・グアルディ
August 2019
———あなたにとって、あなたの時計が特別なところは?
「私のオメガスピードマスターは1970年から父親が所有していたもので、私にとって特別な時計です。そして実は、遅かれ早かれ、私はそれを弟とシェアしなければならないとも思っています。この時計については、こんな思い出があります。
ランチだかディナーだかの際、私が家に帰るのが遅くなってしまったとき、父は時計の風防を軽く叩いて注意したものです。私の父はとてもフランクな人でしたが、シチリア人でもありました。そのため非常に保守的なところもあり、家族の食事に遅れると、私はいつも注意されたのです」
———あなたは自分自身のスタイル感覚をどのように表現しますか?
「ファッションで重要なのは自由と自信、そしてカルチャー的バックグラウンドがあるかどうかだと思います。私は、異なる背景のさまざまな要素を組み合わせるのが好きですが、そこには理由があるべきです。
そしてスタイリッシュかどうかは、自分が何を着て、何をしているかに、自信を持っているかどうかがポイントです。そしてこの“自信”は、だだ格好をつけているだけでは生まれません。それはあなたが何を着ているかを知ること、それについての文化を勉強することから生まれます。スタイルとは、ただいい服を着ればいいというものではなく、学び知るべきものだと思っています」
———あなたにとって最もセンチメンタルな思い出があるのはどのファッション・アイテムですか?
「私にとって大切なファッション・アイテムはたくさんありますが、非常にセンチメンタルな気分になるのは、ひとつの古いバンダナです。それはかつて私の母親が持っていたもので、彼女は私を妊娠していたときに、それをカチューシャのように頭につけていたのです」
———好きなウエスタン映画は何ですか?
「それはいい質問ですね。選ぶのは非常に難しい。ご存知のとおり、私はウエスタン・ムービーが大好きなのです。すべてはセルジオ・レオーネ監督から始まりました。そして再び、それは私の父と関係があります。
幼い頃、父と弟がソファに座って、『グッド、バッド、アグリー』(邦題:『続・夕日のガンマン』)を見て、父がウイスキーに親指につけて、私と弟に『なめてみるかい』と聞いてきたことを覚えています。そして母親にどやされていましたね(笑)。この映画は傑作です。俳優、物語、衣装、音楽。すべてが完璧です。史上最高の映画のひとつだと思います」