OBJ East
THE SENSE OF ELEGANCE

オブジェ イーストのエレガンス

April 2022

 

 上質な時の中でアイウェア選びができる「OBJ east オブジェ イースト」なら、いつ訪れてもその時の自分に合った1本に出合うことができる。

 

 

板張りの天井が温もりを表現する、印象的なオブジェ イーストの店内。常時50以上の国内外のブランドと自社オリジナルフレームが美しく並ぶ。豊富な知識を持つスタッフが商品の提案、検眼やフィッティングまで行ってくれる。店内奥にはシトロエンDSをコンセプトとしたソファスペースがあり、寛ぎながらアイウェア選びを楽しめる。

 

 

 アイウェアを単なる医療機器としてではなく、ファッションや嗜好品として捉えるTHE RAKE読者であれば、銀座にある「OBJ east(オブジェ イースト)」を既にご存じに違いない。日本随一の商業地であり、世界中のラグジュアリーブランドの店舗が軒を連ねる銀座の中でも、ひと際スタイリッシュな店舗である。

 

 そもそもOBJは、1991年に京都・北白川で創業したショップだ。アイウェアは今でこそファッションの一部のアイテムとなっているが、町の小さな眼鏡店や大型チェーン店での販売が主流だった当時、ファッションや嗜好品として国内外のさまざまなブランドを提案するそのスタイルは、非常に画期的であった。ちなみにこの店舗は、現在も京都の目利きたちに支持されている名店だ。

 

 2店舗目となる東京・銀座の「east」をオープンさせたのは、2000年。そして2008年には大阪・堀江に大阪店をオープンさせている。現在はこの3店舗を構えるが、ユニークなことにそれぞれ店舗デザインが異なっており、京都店はイタリアのクラシックボートのRIVA、east(銀座店)はシトロエンDS、そして大阪店はコンコルドと、いずれも50~70年代のプロダクトがコンセプト。男の遊び心やロマンを掻き立てるその空間もまた、洗練された独自のセンスに満ちている。

 

 

LA発の人気ブランド「ジャック・マリー・マージュ」のマスターピース「ZEPHIRIN」にOBJが別注をかけた限定モデル。カラー名“ANGUILLE”は、“鰻”の意味。ブランドのアイコニックな矢を模した飾鋲をあえて廃し、芯金も漆黒の生地で封印。無粋に見えて粋の楽しめる、シンプルかつミニマルな1本に仕上がっている。 「ZEPHIRIN」¥76,560 Jacques Marie Mage×OBJ

 

 

 OBJはそのセンスを生かし、オリジナルフレームも手がけている。例えば「obj vintage Ⅰ」というモデルがある。顧客から昭和初期のメタルフレームの修理を請け負ったが、修理は困難を極め、どのクラフツマンも首を横に振った。そこでOBJが依頼者の了解を得た上でフレームを預かって開発を重ね、その意匠を忠実に再現しつつも現代的なかけ心地を実現した新たなフレームを作り出した。OBJが「本当に作りたいモノだけを作る」というこだわりを貫いたオリジナルフレームである。

 

 こうして、アイウェアセレクトショップの草分け的存在として業界を牽引してきたOBJは、昨年で創業30周年を迎えた。新たな時代を切り拓くべく、創業当時の空気感を大切に、古きよき時代の懐古的なコンセプトを継承しながらも、ブランドとのコラボレーションなどを通じて新しい魅力の創造、メッセージの発信にも取り組んでいる。

 

 

OBJがこだわり抜いて作り上げるオリジナルフレーム「obj vintage」シリーズから、テンプルに希少な根竹をあしらった特別なアイウェア。テンプルに適した弾性・硬さをクリアしつつ、左右同等の太さと色合い、節目の数などを揃えるのは至難の技。しかも工程はかなり複雑で根気がいるため、生産本数も限りがある。「BAMBOO」¥132,000 obj vintage III

 

 

 話を銀座の「east」店に戻そう。同店が20年以上も銀座で支持されているのは、あらゆる面で他を圧倒する“エレガンス”を誇っていることに他ならない。例えばそれは、商品のラインナップにおいても光っている。クラシックなタイプからスポーティなサングラスまで、常時50以上のブランドと自社のオリジナルフレームを展開し、2000をゆうに超える品揃えとエリア最大級の売り場面積を誇る。

 

「私たちは、アイウェア自体がエレガンスを持つものとは考えていません。エレガンスとは、あくまで掛けた人の本質を表すもの。アイウェアは掛け手が表現したいアンビエンスを柔らかく包み、ゆっくりと押し出してくれる存在と考えます。ですから個人個人に合ったものを選別いただけるように、幅広いアイウェアをご用意しています。もちろん高いクオリティとデザイン、ストーリーを同封して」

 

 

ル・コルビュジェ氏の顔を印象付けていたフレンチヴィンテージをOBJが再構築。防錆に優れた無垢チタンの芯金に、茶褐色と薄黄色の織り交ざった流麗な鼈甲柄、そして唐草模様を合わせた。蝶番は桂離宮の襖の引き手に着想を得てデザインされたもので、フレンチと和の香りを併せもった洒脱な印象の1本だ。 「CORBY」¥41,800 Rokkaku Eyewear Design(OBJ)×Rainmaker

 

 

 顧客の個性やライフスタイルを引き出すため、接客やサービス、店舗空間にもセンスを発揮している。特に洗練されたインテリアは、男性の遊び心を掻き立てるようなものとなっている。

 

「その方の個性を引き出し、内面を具現化させたアイウェアをご提案するにはヒアリングが大切ですが、ナチュラルな状態でいていただくための空間も重要です。眼鏡を売るということは、安心を捧げること。店舗はゆったりと心を落ち着かせたり、あるいは心を踊らせたりできる、社交場のような場所であるべきと考えています」

 

 上質な時間を過ごしながら、誰もが自分に合ったアイウェアと出合える唯一無二のお店。いつ訪れても、その時の自分のスタイルにあった1本に必ず出会える、そんな期待が高まる。ゆえに常に感度の高い愛好家や著名人から絶大な支持を集めているのだ。

 

 

OBJ east

オブジェ イースト

東京都中央区銀座2丁目8-9 木挽館銀座ビル

TEL.03-3538-3456

www.obj.co.jp