LUXURY WELLNESS RESORT, MUWA NISEKO

ニセコの新リゾート「MUWA NISEKO」で極めるハイエンドな休日

March 2024

ジャパウ(Japan powder snow)と賞される日本のパウダースノーの聖地として、世界から愛されるニセコ。そのメインステージであるグラン・ヒラフのゲレンデが目の前という高台の一等地に、ニセコアンヌプリと羊蹄山を見晴らせる贅を尽くしたウェルネスリゾート「MUWA NISEKO」が誕生した。北海道の大自然に抱かれながら上質な雪とともに極上のヴァカンスを過ごせるだけでなく、美食とアート、リラクセーションで五感を揺さぶる、最新リゾートへいざ。

 

 

text chiharu honjo

photography muwa niseko

 

 

 

 

 新千歳空港に降り立ち、辺り一面真っ白な北海道の大地を車で2時間ほど走ると、突如として洗練されたニセコの街が出現する。英語で表示された看板、道行く人は多国籍で、ここは本当に日本なのかと疑いたくなるほど異国情緒にあふれた雰囲気だ。

 

 その中央エリアにあるグラン・ヒラフのアッパービレッジに建ち、小さな家を積み重ねたようなデザインの外観でひときわ異彩を放つのが「MUWA NISEKO(ムワ ニセコ)」である。リゾートを出るとそこはもうゲレンデという、スキーイン・スキーアウトが可能な部屋も備わったリゾートで、スキーバレーのサービスも申し分ない。アフタースキーはインフィニティ温泉で疲れた体を癒やし、ミシュラン星つきシェフによるレストランで美食も堪能できる、ニセコを満喫するのに最高のデスティネーションといえる。

 

 

ロビー。

 

 

ライブラリー。

 

 

 

 エントランスに到着し扉が開くと、奥にある大きなピクチャーウィンドウが目に飛び込んでくる。中庭には木立が植えられており、あたかも一枚の絵画のように雪景色を眺められるデザインが秀逸だ。ファイヤーテーブルの揺らめく炎とともに空から舞い散る雪を見ていると、都会にはない静寂の中で時を刻む心地よさを覚える。

 

 館内にはアートワークが散りばめられており、アイヌの木彫りをモチーフとしたモダンな彫刻のあるライブラリーや、オーストラリア人フォトグラファーによる北海道の写真が飾られた客室など、この地に縁のある作品に惹かれた。

 

 

5ベッドルーム ペントハウス アンヌプリ。

 

 

4ベッドルームエグゼクティブ 温泉付きスイート。

 

 

2 ベッドルームスイート。

 

 

 

 全113室からなる客室は暮らすように泊まれるレジデンス型になっており、別荘のように寛ぎやすい。ニセコの自然をイメージしたデザインやカラーでまとめられたインテリアは、周囲の景色と調和しており、実に落ち着ける空間だ。

 

 また、すべての部屋にキッチンが備えてあり、ミーレの食洗器や洗濯乾燥機、冷蔵庫、ネスプレッソのコーヒーマシンといった一流の家電に加えて食器類も揃い、ロングステイしやすい。海外から来たゲストは1週間ほど滞在し、北海道の新鮮な食材でホームパーティーを楽しんだりシェフを呼んで料理を作ってもらったりと、思い思いの休日を過ごしているという。

 

 様々なタイプの部屋があるが、注目すべきは最上階の5ベッドルーム・ペントハウス。411㎡という圧巻の広さで、リビング正面の窓にはゲレンデがあるアンヌプリ山がそびえ立ち、息を飲むほど美しい絶景が眼前に広がっている。また、テラスには天然温泉に浸かれる檜の露天風呂、テラス前の室内にはサウナが設けられ、外の冷たい空気でととのうこともできる。

 

 そして、ここならではの客室はスキーイン・スキーアウトができる部屋。外へつながる扉を開けると、ブーツや板を置くプライベートな準備室があり、その先の扉を開けて踏み出すともうゲレンデだ。帰りはゲレンデから部屋まで滑りながら戻ることができるため快適この上ない。

 

 

 

 

 もちろん、ここではどの客室でもストレスなくウィンタースポーツを楽しめる。1階のスキーエントランスでは、スキーやスノーボードのレンタル、ロッカーの利用、スキーレッスンの申込までをワンフロアで済ませることができ、レンタルしたギアはスタッフがロッカーに収納しておいてくれるバレーサービスもある。スキーインストラクターとコミュニケーションを取りながらゲレンデまで移動できるため、雪のコンディションを相談しながらレベルに応じたアドバイスをもらうのにも都合が良い。実際に利用してみたが、初心者から上級者までスノースポーツ愛好家にとって大変使い勝手がよい。

 

 

インフィニティ温泉。

 

 

檜の露天風呂。

 

 

 

 世界最高峰のパウダースノーで雪遊びを堪能した後は、ニセコで最も高い場所にある「インフィニティ温泉」はいかがだろう。その名の通り、インフィニティプールのようなデザインが印象的な予約制のプライベート温泉で、雄大な羊蹄山を望みながら広々とした個室の天然温泉に4名まで入れる。入浴前後には生姜やゆず、よもぎ茶などを煎れてくれる場があり、心地よい時が流れるのを感じる。ここにはほかに、ニセコの街並みを見渡せる檜の露天風呂もある。いずれも有料だが、静けさのなかでゆったりと入浴できる至福のリラクセーションが待っているため、是非とも予約したい。

 

 さらに、ゲストなら誰もが入れるサウナ付きのパブリック温泉(予約不要の大浴場)や、疲れた身体をほぐしながらトリートメントしてくれるスパ「MUWA SPA(ムワ スパ)」もある。スパにはふたりで利用できる部屋があるので、非日常の空間で深いリラックスへと誘う特別な時間をパートナーとともに過ごすのもよいだろう。

 

 

(筆者撮影)

 

 

 

 レストランも都会にいるかのごとく素晴らしい。「HITO by TACUBO」は、本格的なイタリアンに薪火料理をとり入れたオールデイダイニングで、7年連続ミシュランガイド東京の一つ星を獲得した「TACUBO」のオーナーシェフ、田窪大祐氏がプロデュースしている。

 

 予約のとれない店として知られる代官山の本店と同様、薪火でダイナミックに焼き上げる「十勝ハーブ牛のサーロイン薪焼きステーキ」や「厚岸産アサリ出汁 真狩産ポロネギ サルディーニャ産からすみのタリオリーニ」がコースメニューに並ぶほか、「ニセコチーズ工房ブルーチーズ〈空〉超熟とさつまいものリゾット七味風味」といった同レストランオリジナルのメニューも登場。季節で異なる味わいを堪能できる。

 

 ソムリエが厳選した北海道のワインも興味深い。乾杯のシャンパーニュの後に、余市にある平川ワイナリーの「ピュルテキュベ ガストロノミック2022」をいただいたが、フローラル系の華やかな香りのワインで鮮魚のカルパッチョとよく合う。シーズンごとに変わる季節のカクテルなどもあり、カジュアルな雰囲気の中で美酒と美食を愉しめた。

 

 

(筆者撮影)

 

 

 

 一方、海外からのゲストを魅了しているのは、10年連続でミシュランガイド東京の一つ星を獲得した、東京・人形町に本店を構えるすき焼きの老舗「日山」。和牛を使った極上のすき焼きとしゃぶしゃぶをいただけるとあって、夜は連日満席だという。

 

 名物料理のすき焼きには上質の黒毛和牛を使用。肉質の良さを引き立てるために自家製の割り下で味付けしており、北海道産の野菜や豆腐とともに味わえる。コースメニューには、本店から送られてくる「ローストビーフ 山わさび」や、うに・タラバガニなど旬の味わいと組み合わせた「本日の茶碗蒸し」なども並ぶ。食材から調理までこだわり抜いた、ここでしか味わえない特別な料理に舌鼓を打つに違いない。

 

 

(筆者撮影)

 

 

 

 翌日は「ニセコ蒸溜所」を訪れた。ここは日本酒「八海山」で有名な八海醸造のグループ会社が2020年に建てた施設で、酒造りで得た知識や技術をもとに上品かつ繊細なジャパニーズウイスキー造りに挑戦している。ニセコは3m以上の雪が積もるエリアだが、気温が下がり過ぎず夏も暑すぎない土地柄。加えて、アンヌプリ山から流れる硬度33の伏流水が柔らかく口あたりが良いため、ウイスキー造りに適しているという。

 

 ウイスキーだけでなく「ohoro」というクラフトジンも造っている。中でもニセコで採れるニホンハッカをキーボタニカルにした数量限定のハッカジンは、清涼感あふれるフレーバーを存分に楽しめるここならではの味わいだ。熟成したウイスキーはまだないが、ニューメイク(蒸溜したての原酒)やジンなどを試せる見学ツアーを行っているので足を運んではいかがだろう。

 

 

 

 

 日本には数々のリゾートがあるが、これほどまでに海外に来た表情を見せるリゾートは他に類を見ない。15ヶ国以上の多国籍のスタッフで最高級のホスピタリティを届けている同リゾートでは、様々な国のゲストがロビーで寛ぎ、英語が飛び交う。滞在中、日本語が通じる外国のホテルに来たという錯覚を起こすほどで、海外旅行をしたような心持ちになる。

 

 グラン・ヒラフの魅力は冬だけではない。春から夏にかけては美しい緑が映え、爽やかな風が吹く。

 

 北の大地が生んだ食材でのバーベキューパーティー、世界有数のゴルフコースや乗馬を楽しむこともできる。季節ごとに表情を変える神秘的なニセコの美しさに触れながら、大いなる自然の力に癒される極上のウェルネスリゾートがここにある。

 

 

 

MUWA NISEKO(ムワ ニセコ)

北海道虻田群俱知安町ニセコひらふ1条3丁目10番地1

TEL.0136-23-0955

www.muwaniseko.com