HOW TO DRESS LIKE A NEAPOLITAN: THE AW19 EDITION

ナポリ人のように装う方法とは?

November 2019

 

 これは理にかなっている。なぜなら、有名なナポリのジャケット“ドッピオペット・トランスフォーマブル”(ボタンを上下どちらにもかけられるダブル・ジャケット)は、19世紀から20世紀初頭に、英国のテーラーがカットしていたジャケットと密接な関係にあるためだ。

 

  1920年代、英国のテーラー、フレデリック・ショルティが仕立てた有名なドレープカット・ジャケットは、ゆったりとした仕上がりで、ラペルは垂れ下がり、ダブルブレステッドの一番下のボタンにも留められるようになる。このスタイルは現在でも、アンダーソン&シェパードによって守られている。

 

 

 今日、ルビナッチはおそらく、ナポリのテーラーリングの伝統と、英国スタイルとの密接な関係の最高の例だろう。ファミリーの祖先、ジェンナーロ・ルビナッチは、重厚な英国服地の愛好家であり(彼の時代、イタリアの軽量な服地よりもずっと優れていだ)、彼の顧客と彼自身の好みの両方に敬意を表し、彼のナポリのテーラーショップは“ロンドンハウス”と呼ばれた。

 

 1930年代、ルビナッチは、ロンドンにてショルティの作品を調べ、その内部構造を取り除いたことにより、今日の“ナポリ仕立て”の起源を作り出した。ヘッドカッターであったアットリーニとのパートナーシップにより、厚手のショルダーパッドとサヴィル・ロウのキャンバス地を使用せずに、体にフィットする、ゆったりとしたジャケットを作成した。その結果、ナポリの気候に適した、より柔らかく、豊かな形の衣服が完成したのだ。

 

 ルビナッチのグルカパンツも似たようなストーリーを持っている。名前が示すように、それは英国の植民地の軍隊が熱帯の気候で着用するために設計された、古い軍のズボンにインスパイアされている。

 

 グルカパンツのツインバックル・フロントは、ベルトやアジャスターに頼ることなく、着用時にトラウザーズのハイウエスト・バンドが、着用者の腰の上に、ぴったりと収まるように設計されている。ルビナッチによって作られたグルカパンツは、本場英国で作られたトラウザーズよりも、さらに英国風だといえる。

 

 特に、THE RAKEがeコマースで提供するルビナッチのように、ブラッシュド・コットン、厚手のコーデュロイ、アイリッシュ・リネンなどで仕立てられている場合は、なおさらだ。

 

 

 今日のナポリ・スタイルを探求するにおいて、ジャンニ・アニエッリは避けて通れない人物だ。(雑誌THE RAKEの名前はアニエッリから取られたもので、ファウンダーのウェイ・コーは、彼について何度も記事にした)そして結局、アニエッリは、英国紳士服の狂信的な信徒だったといえる。

 

 彼の日々の服装は、イングランド西部で織られたウール・フランネルのダブルブレステッド・スーツ(仕立てはミラノのドメニコ・カラチェニだったが、それでも英国風であることに変わりはない)、白いシルクのターンブル&アッサーのシャツ、ネイビーのシルク製レップタイといったようなものだった。彼はまったく英国紳士そのものだった。

 

 それでは、話をまとめよう。ナポリ風の着こなしを目指すなら、トラディショナルな英国風スタイル、主に王室によって受け継がれてきたコンサバティブなスタイルを追求することだ。チャールズ皇太子は、良いお手本である。彼の衣服へのアプローチは、いつも可能な限り英国的だ。

 

 レジメンタル・ストライプのネクタイ、パウダー・ブルーとベビー・ピンクのプレーン・ポプリン、またはベンガル・ストライプのシャツ、金色のボタンが付いた、サージ製ネイビーブレザー、プリンス・オブ・ウェールズ・チェックのダブルブレステッド・スーツ、厚手のツイード・ジャケット、プリーツ入りのコットン・ドリル製のチノパンツなどを見てほしい。

 

 これらの布地、カット、組み合わせを、典型的なナポリ風の仕立て―—爽やかで軽いコンストラクションの洋服に落とし込めば、あなたの着こなしは、確実に成功するだろう。

 

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