HOW TO DRESS LIKE A NEAPOLITAN: THE AW19 EDITION
ナポリ人のように装う方法とは?
November 2019
シャツのボタンを、ヘソの下まで開ければよいと思っているなら、それは大間違いだ。
ナポリタンのような服装をしたいなら、この事実を知るべきである。
text aleksandar cvetkovic photography milad abedi
本当のことを話そうか。われわれは今、パンドラの箱の蓋を開けようとしている。そして、サルトリアの世界で最も誤解されている事実のひとつをお知らせしよう。その誤解はとてもパワフルで、紛らわしいので、ほとんど盲信されている。準備はできただろうか? ここには、シンプルな法則がある―——ナポリ人のような格好をしたいなら、もっとイギリス風に装うべきなのだ。
私は確信しているが、この言葉は、あなたを混乱させるだろう。しかし、考えてみてほしい。イタリアのテーラーやファッショニスタが、今日あなたに言うかもしれないこととは反対に、ナポリ・スタイルのルーツは、イギリス貴族のスタイルなのだ。洋服の作り方は異なるが、ナポリ風スタイルの神髄とは、トラディショナルな英国服との、密接な関係から生まれてきたものなのだ。
実際、ナポリの仕立ての話をその起源にまで遡ると、 14世紀の貿易団体“ジャケットメーカーとテーラーの同胞団”にまで遡る。ナポリはテーラードウェアを輸出した世界で最初の都市のひとつだった。
ナポリで作られた服は、ヨーロッパの至る所で、君主、貴族、社会的エリートに愛されていた。だから、本当にナポリ人のようなスタイルをしたいのであれば、派手な色やけばけばしい裏地は忘れたほうがいい。代わりに、ナポリならではのコンストラクションとセンスのある洋服を着てほしい。そして、それらの多くは、イギリスから多大なる影響を受けたものだ。
今日、この二重性の優れた例は、デ・ペトリロの服に見られる。このブランドはあらゆる意味でナポリのテーラーであり、地元のワークショップで服を手作りしているが、そのジャケットには、丈夫な英国のツイード、アーシーな色のチェック、重いウーステッドなどが使われており、英国流の静かな感性を、ハウススタイルに落とし込んでいる。
ダルクオーレも同様だといえる。ブランドのダブルブレステッド・ジャケットは、ゆったりとしたシルエットを備えており、サヴィル・ロウのテーラーのように、あなたを力強く見せ、着やすさを同時に感じさせる。