HERMÈS CUT

【時計】新コレクション「エルメス カット」はメンズにこそふさわしい

August 2024

美しいフォルムの時計で知られるエルメス。その新作はちょっとした“カット”で新しい個性をつくった、男性にも嬉しい小径のエレガントウォッチだ。

 

 

text tetsuo shinoda

 

 

©Haw-lin Services

 

 

 

 美しい製品は、多くの職人の手仕事によって長い時間をかけて作られるもの。だからエルメスは、時間を“友人”であると考える。新作の「エルメス カット」も、そういった考えから生まれた。

 

 シンプルなラウンドをケースデザインの基調とする。ラグはブレスレットのデザインと合わせ、ラウンドのフォルムを崩さないよう注意を払っている。

 

 それだけでも十分に美しい時計だが、そこに“カット”を入れることで、エルメスらしいフォルムを完成させた。ラウンドケースの両脇を少しだけカットさせると、全く新しいケースが出現。しかもその断面図は美しい紡錘形となっており、ポリッシュ仕上げにすることで存在感を高めている。特徴的なこのフォルムを生かすために、リュウズは1時30分の位置にセット。そのトップ部には、さりげなくエルメスの頭文字であるHがあしらわれている。

 

 

ケースやべゼルのトップはサテン仕上げ、カットした部分とベゼルのサイドをポリッシュ仕上げにすることで、メリハリある輝きが生まれる。SSケース ¥1,024,100 Hermès ©Joël Von Allmen

 

 

左:美しいフォルムを生かしたコンビモデル。SS×18KRGケース ¥2,167,000 Hermès 右:シースルーバックからエルメス専用ムーブメントが見える。ラグはケースフォルムに沿うデザイン。©Haw-lin Services

 

 

 

「エルメス カット」は、36mmという小径モデルでありながら、機械式ムーブメントCal.H1912を搭載する。その製造はエルメスも資本参加しているヴォーシェ・マニュファクチュール・フルリエが担当。プレートにH モチーフの装飾を施したCal.H1912はシースルーバックから鑑賞できる。

 

 美しいフォルムへの探求心と高度なウォッチメイキングの両方を楽しめる「エルメス カット」は、ユニセックスサイズの時計であり、小径の時計を好む男性にとっては格好の選択肢となるだろう。コンパクトで腕なじみがよく、シャツの袖口にも干渉しない上に、パッと視線を引き付ける個性があるので、アクセサリーとしても存分に楽しめる。

 

 こんな美しい時計と過ごす時間は、きっと美しい思い出となるに違いない。

 

 

エルメス カット

ケースはワンサイズながら、豊富なバリエーションを展開する。メタルブレスレットだけでなく、ホワイト、オレンジ、グリ・ペルル、グリ・エタン、グリシーヌ、ヴェール・クリケ、ブルー・ジーン、キャプシーヌという8色のラバーストラップもラインナップ。道具不要で簡単に交換できるので、メタルブレスレットモデルを購入しつつ、別売ラバーストラップを追加購入してシーンで使い分ける、という楽しみ方もできそうだ。すべて自動巻き、36mm。左上から時計回りに:SSケース、ホワイトラバーストラップ ¥938,300/SS×ダイヤモンドケース、ヴェール・クリケラバーストラップ ¥1,817,200/SS×18KRGケース、ブルー・ジーンラバーストラップ¥1,386,000/SS×18KRG×ダイヤモンドケース、グリ・エタンラバーストラップ ¥2,266,000Hermès ©Joël Von Allmen