DUNHILL “Made to Order Shoes”

英国の雄、MTO靴へ踏み出す

November 2022

 

 ダンヒルの真骨頂はシルクタイ、レザー製品、ドライビング・グローブ、そして喫煙具などのクラシック・アイテムにあると思っている。同社は1893年にアルフレッド・ダンヒルによって創業されて以来、常にブリティッシュ・トラッドの雄であった。だからブランド初の英国製MTOシューズがリリースされると聞いたときは、胸が躍った。その出来栄えは、期待を裏切らないものだった。

 

 

 

選べるデザインは(上から)チェルシー ブーツ、オックスフォード キャップトウ、ダービー スプリットトウの3種類。アッパーはアンティーク フィニッシュのボックスカーフ、グレインレザー、アリゲーターなどの十数色の中から選ぶことができる。ソールはシングル、ダブルに加えダイナイト製のラバーもチョイス可能。ソールのカラス仕上げのフィニッシュやトウチップの有無も選べ、ソールウエスト部分に真鍮釘によるイニシャルを入れることもできる。作っているのは誰もが知っているノーザンプトンの超一流工房だが、ファクトリーモデルよりラウンド気味のオリジナル・ラストが使われているので、より日本人好みだと思う。「こういうダンヒルを待っていた」という方は、多いのではないだろうか?カーフ ¥325,600~、アリゲーター ¥1,980,000~

 

 

 

 

 

 製作するのはノーザンプトンの某一流工房。三つのデザインを特注のラストに乗せ、アッパー、ソール、ライニング、イニシャル入れなどを自由にカスタマイズできる。絞り込まれたウエストは、フルビスポーク・シューズを彷彿とさせる。

 

 ちなみに筆者はひと足早くオーダーを済ませた。散々迷った挙げ句選んだのは、ブラックカーフのチェルシーブーツだ。我ながら呆れるほどコンサバなチョイスだが、そのシルエットの美しさには代えがたいものがあったのだ。