DRESS WATCHES AT NIHOMBASHI MITSUKOSHI
進化したドレスウォッチは日本橋三越で
September 2023
スーツスタイルに欠かせないドレスウォッチには定番がたくさんあるが、着実に進化を遂げている。日本橋三越本店 本館6階 ウォッチギャラリーなら、そんな旬の時計たちに出合える。
text tetsuo shinoda
BREGUET/クラシック パーペチュアルカレンダー 7327
初代ブレゲの懐中時計からインスパイアされた、新開発の永久カレンダーモデル。大小のインジケーターやレトログラード針、彫金仕上げのムーンディスクなど、細部にまで丁寧な職人技が光る。ケース厚は9.13mmでシャツの袖口と干渉しにくい。左は18KRGケースで、右は18KWGケース。ともに自動巻き、39mm。各¥11,572,000 Breguet / Nihombashi Mitsukoshi(日本橋三越本店 TEL.03-3241-3311)
紳士たちは長らく懐中時計を愛していた。ポケットから取り出す姿は様になるし、使わないときはチェーンがアクセサリーにもなる。一方で腕時計は、必要に迫られて開発された実用品。戦地で指揮をとる将校やパイロットの場合、悠長に懐中時計を取り出している余裕はない。つまり男性用の腕時計は、まずは道具として誕生し、やがて飛行機や潜水機器など、テクノロジーの進化に合わせてデザインや機能、スペックが高まったのだ。
そのためいわゆる“ドレスウォッチ”の誕生は遅く、どの時計ブランドも1930年代以降にようやく懐中時計からシフトし、本格的に力を入れている。薄くて高性能のムーブメントを開発し、緩やかにカーブする流麗なケースデザインや、輝かせるために斜面カットを使った針とインデックスを採用し、シンプルさの中に美しさを加味していった。もちろんドレスアップしたシーンで使うための時計であるため、ツールウォッチほどの機能性は重視されない。むしろ、薄型のケースやジェムセッティングなど、華やかさや造形の美しさが探求されていった。
しかし、高級時計の人気が高まった2000年代以降、メンズウォッチの主流派はツールウォッチを源流とするクロノグラフやダイバーズウォッチなどのスポーツウォッチとなった。また、ドレスファッションに対する解釈の広がりとともに、スポーツウォッチ×スーツというスタイルが一定の市民権を得るようにもなった。さらには、高級感のある薄型スポーツウォッチである「ラグジュアリースポーツウォッチ」の人気に火がつき、純然たるドレスウォッチは、次第にその存在感を潜めていったことも事実である。
とはいえ、紳士たちにとってドレスウォッチは永遠のマスターピースである。シンプルで優雅なデザインや、すっとシャツの袖口に潜り込む薄型ケースは、スーツスタイルの魅力を完璧に引き出す名脇役だ。
注目すべきことに、近年のドレスウォッチは耐磁性能に優れるシリコン製のパーツを取り入れたり、複雑機構の薄型化やロングパワーリザーブを実現したりして実用性を高めている。また、アクセサリーとしても楽しめるようカラーバリエーションが増えたり、過去のデザインが復刻されたりと、装うことをもっと楽しめるドレスウォッチが増えている。スポーツウォッチ全盛の時代にあっても、ドレスウォッチはしっかり進化を遂げているのだ。
では最新のドレスウォッチはどこで手に入れるのがよいのか? 時計店の商品構成は、街の客層に影響される。であるなら、紳士の集まる日本橋こそ、良質なドレスウォッチが集まる場所といえる。
国内屈指の売り場面積を誇る日本橋三越本店 本館6階 ウォッチギャラリーでは、歴史と伝統をもつ名門メゾンから知る人ぞ知る独立系メゾンまで幅広いブランドを取り扱っており、さまざまなスタイルのドレスウォッチに出合うことができる。
美しいドレスウォッチと出合うことで、よりいっそうドレスアップを楽しめる。現代紳士のファッションは腕元から。それがこれからの常識だ。
JAEGER-LECOULTRE/レベルソ・トリビュート・スモールセコンド
ポロ競技中に風防ガラスを保護するため作られた反転ケースが特徴のレベルソは、1931年にデビュー。当時からのカラーダイヤルのスタイルを継承しつつ、細部を見直し7.56mmの薄型ケースへ進化。ストラップはポロ用品メーカー、カーサ・ファリアーノがデザイン。ともに手巻き、18KPGケース、45.6×27.4mm。各¥3,322,000 Jaeger-LeCoultre / Nihombashi Mitsukoshi(日本橋三越本店 TEL.03-3241-3311)
VACHERON CONSTANTIN/トラディショナル・コンプリートカレンダー
キレのあるケースにシャープなドーフィン針を組み合わせた、洗練のスタイルが人気。月、曜日、日付を表示する機能的なフルカレンダーに、ロマンティックなムーンフェイズ表示を加えたフルカレンダー機構を搭載。複雑だが小窓や針表示を使ってすっきりとしたデザインに。自動巻き、18KPGケース、41mm。¥6,512,000 Vacheron Constantin / Nihombashi Mitsukoshi(日本橋三越本店 TEL.03-3241-3311)
スペシャルトークショー開催!
日本橋三越本店 本館6階 ウォッチギャラリーにて、小誌THE RAKE日本版編集長・松尾健太郎によるトークショーを開催。テーラードファッションとドレスウォッチをテーマとして、さまざまなエピソードとともに解説。入場無料のこの機会にぜひ足を運んでほしい。
10月7日(土) 15時〜
日本橋三越本店 本館6階
ウォッチギャラリー内「cal.BAR(キャリバー)」
事前予約なしでも観覧可能(立ち見)ですが、こちらのフォームより座席予約の抽選申し込みが可能です。受付は10月1日(日)まで、抽選結果は10月2日(月)以降メールにてご連絡いたします。