DESIRE FOR LUXURY: MAYBACH
マイバッハの世界:ラグジュアリーSUVの最高峰といわれる理由
July 2022
その理由は圧倒的な存在感と豪華装備、そしてメルセデスならではの“おもてなし”にある。
Mercedes-Maybach GLS 600 4MATIC(ISG搭載モデル)メルセデスのGLSが3列シートであるのに対して、メルセデス・マイバッハのGLSのリヤシートは2座のみ。3列目シートを排除して2列目を後方へ動かすことにより、後席の足元に大きなスペースが生まれ、オットマンを装備する専用シートの装着が可能となった。V8ツインターボエンジンとモーターを組み合わせたISG搭載モデルである。気筒休止機構と併せて環境性能も高いユニットだ。足まわりにはE-ACTIVE BODY CONTROL採用。路面状況や速度を問わず常にフラットライドな乗り心地を提供するとともに、車高調整機能も備えている。
全長×全幅×全高:5,210×2,030×1,840mm/車重:2,840kg/駆動方式:4WD/エンジン:4リッターV8 DOHC 32バルブツインターボ/最高出力:558ps(410kW)+ISG(16kW)/最大トルク:730Nm+ISG(250Nm)※数値は欧州参考値
Mercedes-Benz
メルセデス・マイバッハ GLS 600 4MATIC(ISG搭載モデル)はメルセデスのGLSをベースにしているものの、“ マイバッハ”を名乗るのに相応しい専用設計が施されている。
メルセデス・ベンツ GLSは、3列シートの7人乗りSUVであることが最大の特徴だ。いっぽうのメルセデス・マイバッハ GLSは、メルセデス GLSの3列目シートを取り払い、2列目のシート位置を120mm後方へ移動。シャンパーニュのボトルも収まるクーリングボックスをリアシート中央に配置して、リアシートを2座とした。4人乗りとしたことにより、後席の足元には広々とした空間が生まれ、電動式のオットマンを装備。リラックスした姿勢で身体を委ねることができるようになっている。同時に、乗降性も向上しているので、ショーファードリブンとしての用途にもまったく問題なく対応できるのである。
乗降性の向上には、電動格納式ランニングボード(=ステップ)もひと役買っている。ドアハンドルを引くと、ボディサイド下からスッとランニングボードが現れて、車高の高いメルセデス・マイバッハ GLSでもスムーズに乗り込める。もちろん、降車時にも同様の“おもてなし”をもれなく受けられる。
サスペンションはその構造と特性上、乗り心地をよくすると操縦性が悪くなり、操縦性を優先すると乗り心地が悪くなる傾向がある。特にボディが大きく重いSUVでは乗り心地と操縦性の両立が難しいとされている。この難題を見事にクリアしたのが、メルセデス・マイバッハ GLSに標準装備されるE-ACTIVE BODY CONTROLである。これはエアサスペンションをベースにした先進のシステムで、いかなる路面でもボディは基本的に水平を保とうとし、タイヤが大きな入力を受けてもそれを可能な限り軽減して乗員への直接的なショックを和らげてくれるから、いつでも安定的に快適な乗り心地が提供される。加えて、悪路や豪雪地帯では車高を上げたり、乗降時には車高を下げるなど、車高調整機能も備えている。
エンジンは3,982ccのV型8気筒ツインターボでI S G(インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター)仕様となる。ISGとは、オルタネーター(発電機)とスターター(エンジン始動用電動機)の機能を兼ねた電気モーターで、発進や加速時など状況に応じてモーターの出力/トルクがエンジンパワーに上乗せされる仕組みである。これにより、車重を感じさせない俊敏で力強い加速感が得られながら燃料消費量を抑えることもできる。
またこのV8は、エンジンパワーがさほど必要ない場合は8気筒のうちの4気筒を止める気筒休止機構も備えている。圧倒的な動力性能を誇りながら、環境コンシャスなエンジンでもあるというわけだ。
メルセデス・マイバッハ GLSのシートはしつらえも極上である。ナッパレザーは耐久性に優れるだけでなく柔らかい肌触りが特徴で、これをボックスプリーツ加工することにより、身体がゆっくりと沈み込んだあとに優しく包み込むホールド性を実現した。ダッシュボードの形状やスイッチ類などの風景はメルセデス GLSと同じだが、シートとトリムの上質な仕立てがマイバッハ特有の贅沢な空気感を醸し出している。
ドライバーズシートからは、ボンネット先端に置かれたスリーポインテッドスターが見える。メルセデスのSUVでこの景色が楽しめるのは、メルセデス・マイバッハ GLSだけの特権なのである。
※写真は欧州仕様のため、日本仕様とは異なる場合があります。