DENTS “Silk Lined Peccary Gloves”

ペッカリー×シルクならスマートで暖かい

November 2022

 

デンツのグローブの着用していることすら忘れてしまうような極上のフィット感は、かつて『シークレットフィット』とさえ形容されたほど。1953年には故エリザベス2世の戴冠式用グローブを手がけたことでも知られている。色はブラック、バーク(こげ茶)、コーク(コルク)の3種。ポインツと呼ばれる甲の3列の縫い目は、装飾としてだけでなく、人差し指から薬指までの腱の動きを助ける役割もある。各¥73,700 all by Dents / Afterhours

 

 

 

 グローブの最高峰として多くの人に愛されているのは、疑う余地なくペッカリー(南米の熱帯雨林に生息する野生の猪豚に近い哺乳類。和名はヘソイノシシ)製のものだ。そして、ペッカリーグローブといえば、1777年に創業した英国デンツ社のそれがあまりにも有名だ。

 

 

 一般的にペッカリーグローブの好みは、手に吸い付くようなフィット感を直に味わえるアンライニング派、ふっくらしていて暖かいカシミアライニング派の大きくふたつに分かれるが、THE RAKEがオススメしたいのは、シルクライニングのタイプである。アンライニングのペッカリーは素晴らしいフィット感を味わえる一方で、冬の寒い日に装着すると、指先の冷えに悩まされることがままある。

 

 一方、カシミアライニングのタイプは保温性に優れていて暖かいが、ボリュームが出てしまうきらいがある。テーラードコートやジャケットの胸ポケットにすっきり収まりにくいという、クラシックスタイルを愛する我々ならではの問題が生じてしまうのだ。そこで、シルクライニングである。東京の冬なら十分に暖かく過ごせる保温性がありながら、ボリュームも抑えられており、手に吸い付くようなフィット感もしっかり味わえる。大いにアリな選択肢として覚えておきたい。

 

 

 

ペッカリーはグローブに最適!

銀面に3つ連なった小さな毛穴が特徴のペッカリーの革は、しっかり厚みがありながら抜群のしなやかさを誇り、グローブには最適な素材である。使い込んでいくうちに革のしなやかさがどんどん増して、自分の手により馴染んでいく。写真のコーク(コルク)は、特に色の深みが増していき、見事なエイジングを楽しめる。