Church’s for The Rake: The Chetwynd Contour
職人技とハイテクの融合:チャーチ「チェットウィンド コントゥア」
May 2025
テクノロジーと職人技が拮抗している今、英国の高級革靴ブランド「チャーチ」は、クラフトマンシップと最新技術の融合によって、伝統的な品質を保ちつつ、革新的なデザインプロセスを実現するクラシックな一足を生み出している。
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チャーチは1873年創業、英国を代表する老舗シューメーカーである。生み出される製品はクラシックな美しさに彩られている。ノーザンプトンの工房では、人の手によるクラフツマンシップと最新テクノロジーが融合されている。昔ながらのクオリティを保ちつつ、革新的なアプローチが試みられているのだ。
多くの英国紳士にとってチャーチは、高級かつ実用的な定番靴であり続けてきた。1873年の創業以来、長きにわたって、ジェントルマンの足元を飾ってきた。
そして今回発表された新作が「チェットウィンド コントゥア」である。それは、150年以上にわたって受け継がれてきたクラフツマンシップと、ハイテク加工を組み合わせた一足であった。
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生まれたのは、伝統的なウィングチップをベースにしつつ、高周波による革表面のエンボス加工を施した一足だ。1足の製作には実に8週間を要し、完成までに250以上の工程が必要となる。ラストは、チャーチを代表する「173」が使われている。
今回のローンチは、1948年に初めて製造されたチェットウィンドのカムバックを意味している(このモデルは映画『ゴールデンアイ』(1995年)でピアース・ブロスナン演じるジェームズ・ボンドが着用した)。ブランドの美学を追求し、伝統的なモデルから一歩踏み出し、軽量でエレガントな一足が生まれた。
コントゥアのシリーズでは、クラシックなオックスフォードをベースにしつつ、アッパーの仕上げは高周波によるエングレービングやエンボス加工となっている。ステッチやメダリオンは表面模様なので、靴全体を軽量化することができ、かつデザインの自由度も広がるのだ。その技術を名作チェットウィンドに応用し、洗練された印象に仕上げたのが本作「チェットウインド コントゥア」なのである。
製法はもちろんグッドイヤーウェルトで、ソール交換が可能である。
チャーチのファンには、俳優ダスティン・ホフマン、ドミニク・ウェスト、ヴィクター・アリといった面々が名を連ねている。最新のキャンペーンには、ガイ・リッチー監督によるドラマ『ジェントルメン』(2024年)で主演を務めたテオ・ジェームズが起用された。彼はチャーチのタイムレスな魅力を体現する存在として、ブランドの新たな顔となっている。
コントゥア・シリーズは、ブラッシュドレザーで展開され、カラーはブラック、ネイビーブルー、ウッドグリーンの3色から選ぶことができる。
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