BREGUET LAUNCH HISTORICALLY INSPIRED AVIATION DUO

歴史にインスパイアされたアヴィエーションウォッチ「ブレゲ タイプ XX」

July 2023

パイロット・ウォッチといえば、ブレゲを思い浮かべる。私は幸運にも、パリで行われたブレゲの新しいパイロット・ウォッチ、「タイプXX」の発表会に出席できた。過去にインスパイアされたとはいえ、これは単なるコピー&ペーストの仕事ではない。実に男心をくすぐる、素晴らしい出来栄えだ!

 

 

by justin hast

 

 

 

 

「タイプXX」の始まりは1950年代初頭、フランス軍がパイロットのためのフライバック・クロノグラフを求めたときまで遡る。ブレゲは当時から軍に供給しており、ミルスペックで作られたタイプ20がよく知られていた。

 

 今回の新しい「タイプXX」にはふたつのバージョンがある。軍用のタイプ20をモデルにした「タイプ20 クロノグラフ 2057」と民間用をモデルにした「タイプXX クロノグラフ2067」である。ほぼ同じムーブメントを搭載しており、基本的な部分は共通である。しかし、ベゼルやリュウズ、文字盤に施された塗料のバリエーションに違いがある。

 

 タイプXXはどちらも同じ42mmケースだが、ラグが短いため手首にフィットする。パイロット用クロノグラフとしては正しい大きさである。ケースバックからは、ケース径にジャストサイズで仕上げられたムーブメントを覗くことができる。

 

 

 

 

 オリジナルのタイプXXをご存知の方なら、今回のアップグレードを気に入ることだろう。より洗練されたケースの仕上げや、パワーリザーブの延長、そして5Hzの高周波脱進機を備えた新開発のフライバック・クロノグラフ・ムーブメントの搭載などである。航空機の翼を模したというブラック仕上げのローターは、タイプXXの機能美に実にマッチしている。

 

 ダイヤル側を見てみると、2067はヴィンテージのタイプXXにインスパイアされたランス型針が採用されている。一方、2057にはグリーンの夜光塗料が施されている。こちらもラジウム塗料が塗られたタイプ20をモデルにしたのは間違いない。ラジウムは新品の場合、グリーンを帯びているのだが、私はこのグリーンの色合いが気に入った。

 

 好みが分かれるとすれば、日付表示窓のデザインだろう。どちらのバージョンも4時と5時の間にあり、日付の下には「Swiss made」の文字が入っている。発表されてから、ソーシャルメディアではこの部分に関する意見で熱狂的な盛り上がりを見せている。

 

 

 

 

 2057には、カウントダウン・タイマーとして機能する両方向回転ベゼルが装備されており、指定の時刻を示す三角形が刻まれている。また、オリジナルのタイプ20の初期型に見られるオニオン型リュウズも採用されている。一方、2067は民間モデルをベースにしており、3つのレジスターを備えている。ベゼルは経過時間を計測するための12時間両方向回転式となっている。また、オニオン・リュウズの代わりにフラット・リュウズが採用されている。ダイヤルにはアイボリー色のスーパールミノバが塗布されており、ヴィンテージ感のある仕上がりとなっている。

 

 両モデルともラピッド・インターチェンジ・システム(RIS)を備えており、ストラップを簡単に取り外すことができる。新しいストラップほど時計の雰囲気を変えるものはないものだ。

 

 個人的な意見になるが、39mmくらいのケースサイズにしたらどうなるのかを見てみたい。今後、バリエーションが充実していくのが楽しみだ。ヴィンテージ感に溢れ、かつスタイリッシュなタイプXXは、まさにレイキッシュな時計といえるだろう。