BRACE YOURSELF: THE TIMELESS APPEAL OF ALBERT THURSTON
200年の歴史のなかで今こそタイムリー
“アルバート・サーストン”
March 2021
創業200年を迎えたアルバート・サーストンは、今もなお、職人の技量を惜しみなく発揮し、一生愛着が持てるブレイシズを製作している。
by aobh o’brien-moody
1939年に戦争が勃発したことを知ったとき、20世紀の名優ラルフ・リチャードソン卿が最初にしたことは、サヴィル・ロウの仕立て屋に駆けつけ、万が一品薄になったときのために、アルバート・サーストンのブレイシズを、6本も買ってきたことだったと言われている。
彼がしたことは、もっともだったといえる。アルバート・サーストンは、1820年にサーストンがロンドンのヘイマーケットに同名の店舗をオープンして以来、多くの紳士服愛好家に愛されてきた。それは英国を代表するアクセサリー・ブランドなのだ。
サスペンダーやブレイシズと呼ばれるものは、何世紀にもわたって着用されてきたが、サーストンは、当時流行していたハイウエストのトラウザーズを吊るために、革のループで取り付ける意匠を考案し、今日私たちがよく知っている現代的なブレイシズを最初に販売したのだ。
その顧客リストの中には、ロイヤルファミリー、貴族、大統領、ビジネスマン、そしてハリウッド俳優などが名を連ねている。すべての顧客は、非の打ちどころのない品質と、時代を超越したスタイルに魅了された。
サーストンのブレイシズは、数々の映画でも使われてきた。『007 カジノ・ロワイヤル』(2006年)、『007 スカイフォール』(2012年)、『007 ノータイム・トゥ・ダイ』(2021年公開予定)のダニエル・クレイグ、『華麗なるギャツビー』(2013年)のレオナルド・ディカプリオ、『アメリカン・サイコ』(2000年)のクリスチャン・ベールなどが着用してきた。おそらく最も有名なのは、カルト的なクラシック映画『ウォール街』(1987年)のマイケル・ダグラスだろう。劇中ではパワードレスの象徴となり、ステータスシンボルとして定着した。
今日、アルバート・サーストンが販売するブレイシズは、このブランド独自の時代を超越したエレガンスを維持しており、ワードローブに究極の付加価値をもたらすだろう。
シンプルなレザーベルトやよりフィットした衣服などが市場に氾濫したため、実用的にはブレイシズの着用はほとんど不要になっている。しかし、サーストンの魅力は、長い歴史と高品質のクラフトマンシップへのこだわりによって、今もなお続いている。
ブレイシズは、英国の伝統的な職人技を駆使して手作りされており、立派な金具と頑丈な素材を使用しているため、何度でも着用することができる。
現在では、ジーンズやスニーカーなど、カジュアルな装いにもブレイシズをすることが広く受け入れられているが、やはりその白眉は、クラシックなエレガンスだ。フォーマルウェアやスーツにネクタイを合わせた伝統的な装いとブレイシズの組み合わせは、シンプルで時代を超越した雰囲気を醸し出す。
アルバート・サーストンの装具を購入するということは、永遠に続く“レガシー”を受け継ぐことである。あなたも歴史の一片に投資されたし。