BMW X7 NISHIJIN EDITION
機能を超えた、さらなるラグジュアリーの高みへ
November 2021
BMWが挑む“日本の名匠プロジェクト”から新しい傑作が登場した。
卓越した運動性能と最先端の装備を誇るX7に日本が世界に誇る伝統工芸、西陣織を加飾した特別な一台である。
BMW X7 NISHIJIN EDITION
存在感溢れるボディサイズ、最大7人乗りの実用性、ラグジュアリー感溢れる室内空間で大好評のX7。これをベースに、BMW Indivisualが内外装を手がけ、インテリアに西陣織を採用したスペシャル・モデル。限定3台。外装色には、BMW Indivisualカラーであるアメトリンが採用されている。複数の顔料を使い、多層塗りによる深みのある色合いが特徴だ。見る角度や光によって紫からイエローへと変わる。西陣の華やかな内装と、好対照を成している。
全長×全幅×全高:5,165×2,000×1,835mm/エンジン:2,992cc 直列6気筒DOHCターボディーゼル/最高出力:340ps@4,400rpm/最大トルク:700Nm@1,750-2,250rpm/駆動方式:4WD ¥16,800,000 BMW
クルマをテクノロジーの塊とするならば、BMWはすでにその頂点に達しつつある。卓越した運動性能と最先端の装備……その象徴がX7だ。7人乗り、BMW史上最大の体躯を誇り、その存在感は圧倒的だ。ふんだんにレザーが奢られたインテリアは、ラグジュアリーそのものである。SAV界のキングといえる一台だ。
しかし、BMWはさらなる高みを目指した。そこに到達するためには、機能性のみならず、情緒的価値を提供することが必要だ。そう考えた彼らが、辿り着いた答えが、日本の伝統工芸とのコラボレーション、『BMWと日本の名匠プロジェクト』である。
第一弾のTHE 8 KYOTO EDITIONでは、M850 x Driveグランクーペに、漆芸家・岡田紫峰氏が絢爛な蒔絵螺鈿を施した。第二弾のTHE 7 PURE METALE D I T I O N では、750 Lix Drive Excellenceに、人間国宝の鍛金家・奥山峰石氏が見事な枝垂桜を加飾した。どちらも日本の匠とドイツのクラフトマンシップが完全に調和しており、まったく新しいラグジュアリネスを体現していた。
そして今回紹介する第三弾のTHE X7 NISHIJIN EDITIONでは、1200年以上の歴史を誇る織物の最高峰、西陣織との共作に挑んだ。西陣織の白眉は、金銀の箔が織り込まれた艶やかな模様である。
インテリア全景。インテリア・トリム、フロントセンター・アームレスト、ルーフライニングに箔・西陣織の装飾が施されている。※西陣織のルーフライニングはX7 NISHIJIN EDITIONの世界観を表現するために特別に製作された参考商品。実際の販売車両には装備されていません。
引箔と呼ばれる工程は、親子三代箔一筋、楽芸工房が担当した。五色金重ねという秘法を使い、さまざまな箔のグラデーションを実現させた。台に張られた箔は細い糸状に切り分けられる。
これを織物として織り戻したのは西陣の名工房、加納幸だ。今回は難燃性を鑑み、台は和紙のみならずレザーも用いられた。レザーの織り上げ技術を持つのは世界でも加納幸だけだといわれる。さらに夜の車内に映えるよう、立体的な雲の模様も加えられた。できあがった織物は重層的で、深い輝きを放っている。
これをトリム、センター・アームレスト(参考車両ではルーフライナーにも)に張ったのだ。車内は目も眩むばかりの華やぎに包まれ、誰も見たことがない空間が生まれた。クルマが機能以上の価値を手に入れた瞬間である。BMWのチャレンジは、クルマという存在を、さらなる高みへと押し上げることに成功したのだ。
インテリア・トリムには金銀箔が直接加飾されている。
楽芸工房二代目、村田輝義氏による箔製作風景。初代が開発した五色金重ねの秘法を操る。