BMW M2 Coupé
“魔性のエンジン”を味わい尽くすために
June 2017
7速 M DCT Drivelogic(ダブル・クラッチ・トランスミッション)は、極めて素早いシフト・チェンジを可能にしている。普段はDモードに入れっぱなしでも、気持ちのいいシフトアップ&ダウンをしてくれるが、やはりここは、ハンドル裏のパドルを駆使し、マニュアルモードにて、エンジンの魅力を味わい尽くしたい。
高速道路やワィンディングなどで、このエンジンを4千回転以上で回して走っていると、ドライバーは恐るべき快感にとらわれてしまう。エグゾーストノートの“鳴り”のよさと、全身で感じるトルク感のせいで、さらにアクセルペダルを踏み込みたくなってしまうのだ。スピードメーターを見ると、踏むべきはブレーキだとわかっているのだが、どうしても回したくなる。この誘惑に勝つのは、相当な理性がないと難しい。
ここまで官能的なエンジンは、他にはV12系くらいしか思い浮かばない、しかしアチラは、数千万円の世界である。対してBMW M2 Coupéは、800万円ほど。コンパクトカーとしては確かに高いが、当代随一の“魔性のエンジン”が手に入るのだから、安い買い物だとも言える。
濃密なドライビングを終えてガレージに戻り、ふと我に返ると、さっきまではやや素っ気ないと思えていたインテリアも、「これでいいのだ」と思えてくる。すべてをブラックアウトしたのは、一重にドライビングに集中させるため。このクルマはすべてが、ドライバーの官能のためにあるのだ。
BMW M2 Coupé
BMWの本格スポーツMモデルの末弟。コンパクトなサイズに「伝家の宝刀」直6エンジンを積む。全長×全幅×全高:4475×1855×1410mm、エンジン:3ℓ直列6気筒DOHCターボ、最高出力:370ps/6500rpn、最大トルク:465Nm/1400-5560rpm、後輪駆動 ¥7,930,000 BMW
問い合わせ先
BMWカスタマー・インタラクション・センター
Tel.0120-269-437(平日9:00-19:00、土日祝9:00-18:00)