BERLUTI ‘Forestière Jacket’
ベルルッティの美意識が宿る「フォレスティエール」
February 2026
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フォレスティエールをベルルッティは素材と色、軽い仕立てで再解釈し、ブランドを代表する定番モデルへと育て上げた。もともとあったアクの強さを絶妙なかたちで薄めながら、輪郭を端正に残している手腕はさすがである。シンプルなぶん着手の個性が引き立ち、装いの中でジャケットの造形美もいっそう際立つのだ。
フランス語で「森番の上着」を意味する「フォレスティエール」は、肩の力が抜けたシックの象徴だ。このジャケットのルーツは、かつてパリ左岸のシックを体現したアルニスの「フォレスティエール」にある。アルニスは、堅いドレスの権威ではなく、品位を仕立てで成立させた店として知られ、「フォレスティエール」はその象徴だった。
ル・コルビュジエのために仕立てた服がその始まりとして語られるのも、服をツールとして設計する思想がこのジャケットに宿っているからだ。ベルルッティはその系譜を受け継ぎ、「フォレスティエール」を定番として育ててきた。人気の高まりとともに素材のバリエーションが増し、シーズンごとに新しい色の提案を見せている。ストリートにもモードな装いにも振れるのは、装飾を抑えた美しさが受け皿になっているからだ。2012年にLVMHがアルニスを取得し、その遺産がベルルッティへと引き継がれた背景も、この定番が今も説得力を持ち続けている理由といえよう。
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ベルルッティのフィルターを通したフォレスティエールは、より都会的な装いに馴染む。左:シトラス・グリーンのウール素材ジャケット¥533,500、右:エクリュとカーキのウールニットジャケット¥485,100 both by Berluti
『THE RAKE 日本版』issue68より抜粋











