THE NEW BENTLEY
CONTINENTAL GT CONVERTIBLE
シガーを燻らせるように
November 2019
創業100周年を迎える英国の超一流ブランドから比類なき贅沢さと
とびきりのエンジンを搭載した待望のコンバーチブル・モデルが発表された。
text tatsuya kushima
ベントレー・コンチネンタルGT コンバーチブル
昨年3世代目に突入したコンチネンタルGT。インターフェイスを含め大がかりに変更された。コンバーチブルはその屋根を可動式にしたもの。かなりセレブ感の強い1台となる。全長×全幅×全高:4880×1965×1400mm、エンジン:6ℓ W12ツインターボ TSI、最高出力:467kW(635ps)/6000rpm、最高速度:333km/h、 0-100km/h:3.8秒 ¥28,180,000 Bentley(ベントレーコール TEL.0120-97-7797)
2019年の今年、ベントレーは創業100周年を迎える。それにともない3月には記念モデルが発表された。グリルに“9”が描かれたコンチネンタルGTベースのナンバー9エディションである。そしてグッドウッドやペブルビーチで行われるイベントでは、なにやらスペシャルなことが起きそうな気配をプンプン漂わせる……。
そんな中、去る2月下旬、新型コンチネンタルGT コンバーチブルのメディア向け国際試乗会が行われた。場所はスペインのアンダルシア地方。マラガからセビリアまでのロングツーリングである。
端的にいうとクルマは昨年リリースされたクーペの屋根開き仕様。ボタンひとつで4層に重ねられたファブリックのルーフがおよそ19秒で収納される。するとご覧のような開放的なキャビンが現れるというものだ。
ルーフは時速50km以下であれば稼働する。その時間わずか19秒。また、寒さ対策も万全で、シートヒーター、ステアリングヒーターは当然のことヘッドレストの付け根から温風の出るネックウォーマー、肘置きのヒーテッド・アームレストが装備される。折りたたみ式のウインドリフレクターまで取り付ければ冬のドライブは実に快適なものとなる。
先代同様オープンエアモータリングが楽しめるのは言わずもがな。新型は屋根を開けたときのスタイリッシュさが際立つ。従来よりもフロントピラーとフロントタイヤの間が伸びたことで、ボンネットが長くなりよりスポーツカーライクとなったのだ。ほとんど変わらないディメンションでこのパッケージングはさすが。デザイナーの腕がキラリと光る。
また、ファブリック製ルーフは閉めたときもすごい。静粛性を数値化するとなんと先代のクーペと変わらないそうだ。スポーティでありながらのこの上質な高級感はまさにベントレーのこだわりであり、真骨頂である。
さらにいうと、英国調ツイードをはじめルーフは7種類、ルーフライナーも数色から選べるという贅沢さ。もちろん、インテリアトリムやダッシュボードのウッドの種類も豊富なので、オリジナルの1台が仕上げられる。というか、ビスポークまで鑑みれば組み合わせは無限大だ。
なんてことを考えながら635馬力の12気筒エンジンをシガーを燻らせるように味わい深く運転する。上品さと過激さ、その中の抑揚がベントレーの個性。響き渡るエキゾーストノートを全身で浴びるその瞬間、クルマ好きにはたまらない心地よさを感じた。