AUXCA. with Yasuto Kamoshita
鴨志田康人が手がけた日本のラグジュアリー
May 2021
text yoshimi hasegawa
オーカのスーツはオーダーメイドとなり、ハンドメイドとファクトリーメイドの2種類から選べる。クラシックなテイストを削ぎ落とし、“ミニマルなテーラード”の構築的な美しさを引き出した。老舗テーラーの高い職人技により極薄の芯地とパッドを入れ、シャープなショルダーラインや体型カバーの機能性がある。トラウザーズは単体でも組み合わせやすいシルエット。ハンドメイド、ダブルブレステッドスーツ¥495,000 Auxca(オーカ サルーン Tel.03-6804-1769)
今、改めてラグジュアリーの定義が問われている。
2016年に隅谷彰宏氏が立ち上げたブランドAUXCA.TRUNK。隅谷氏は今年で創業75周年を迎える赤坂の老舗テーラー、テイラーアンドクロースの3代目であり、家業であるテーラーリングと日本製素材に特化し、日本だからこそつくり出せる新しいラグジュアリー“JUXURY(ジャクシュアリー)”を提唱している。
今回新たに鴨志田康人氏がデザインチームに加わり、ローンチしたAUXCA.(オーカ)は、フルハンドメイドの職人技が光る。日本トップクラスの縫製工場が製作を担当し、服地も尾州など日本製を使用。日本独自の丁寧な仕立てと繊細な質感や色を追求している。
「このブランドはデザインも色使いも本当にシンプル。自分の中では日本をあえて意識せずデザインしました。一見、特徴がないように見えますが、贅沢な素材使いと構築的な仕立てにこだわっています。ミニマルなものこそ細部にこだわらないとその良さを引き出すことはできないからです。結果として装飾性をなくすことで、日本の美意識に通じる仕上がりになったと思います。今の時代にふさわしいタイドアップしなくても着られるスーツ、着心地の良いひとクラス上のテーラード、日本人の感性や生活様式に合った佇まいの服を提供したい」
鴨志田氏着用ファクトリーメイドのシングルブレステッドスーツ¥242,000 今秋発売。Auxca(オーカ サルーン Tel.03-6804-1769)
本記事は2021年5月25日発売号にて掲載されたものです。
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THE RAKE JAPAN EDITION issue40