ASIA’S FINEST RETREATS: WHERE LUXURY MEETS TIMELESS ESCAPE
心に静けさを取り戻す、アジアの極上リトリート5選
March 2026
The Peninsula Hong Kong
時代を超えて輝く香港の正統派ホテル
「ザ・ペニンシュラ香港」は、旅の目的がホテルそのものになる、そんなホテルの筆頭だ。香港の歴史と矜持を宿す原点にして、伝統と革新が共存する、いまなお進化を続ける名門である。
圧巻の外観。1994年にタワー棟を増築しながらも、歴史ある本館はしっかりと継承された。変わりゆく香港で、揺るがぬ“顔”として佇む。
1928年12月11日、旅そのものがまだ富裕層の特権だった時代に、香港の尖沙咀(チムサアチョイ)に開業した「ザ・ペニンシュラ香港」。いまでは全世界に12軒のホテルを構える、言わずと知れたホテルブランドの原点である。95年以上も前からこの地で人々を見守ってきたその象徴的なファサードは、1994年に増築されたタワー棟とともに、幾度かの修復を経ながら今も当時と変わらない姿で多くのゲストを迎えている。
“ページ”にドアを開けてもらってホテルに足を踏み入れると、そのコロニアルなロビーに誰もが感動するだろう。ピカピカに磨かれた床に、豊かな緑、バンドによる生演奏に、周りでは優雅にアフタヌーンティを愉しむゲスト。ディテールに目を移すと、柱の根元に顔の彫刻を見つけられるだろう。聞けば、ひとつひとつすべて顔は異なり、いずれもハンドメイドとのこと。建物そしてゲストの安全を守る、守り神のような存在で、全部で76もあるという。香港ならではのアジアなエッセンスも感じられる設えだ。
2013年に大規模なリニューアルが行われた客室は、その洗練された雰囲気はもちろん、機能面も格段にアップデートされた。インルームダイニングやダイニングの予約、照明のオンオフなどすべての操作をタブレット(日本語も選択可能)で完結できたり、ベッドサイドにはワイヤレス充電器を完備。引き出しの中にはプリンターや充電コード、さらにはネイル用のドライヤーまで備えられている。ダイニングは、バーやカフェを含めると全部で9つ。伝統的な広東料理や点心を楽しめる中国料理「Spring Moon」や、香港島のネオンを望むモダンヨーロピアン・キュイジーヌ「Felix」、さらには香港で初のスイス料理レストランとして1965年にオープンした「Chesa」、そしてオーセンティックなバー「The Bar」など、ゲストを飽きさせない幅広いラインナップが魅力だ。
忘れてはならないのが、「ザ・ペニンシュラ香港」を象徴するのは、建築やダイニングだけではないということ。ホテルの前に並ぶペニンシュラグリーンのロールスロイスやベントレーベンテイガは、尖沙咀の街においてもひときわ端正で、いまなお香港のアイコンであり続けている。伝統は古びるのではなく、時代とともに常に磨かれていく。その矜持が、隅々まで息づいているのだ。
コロニアル調のエレガントな雰囲気が漂う「The Lobby」。
ハーバービューの客室からは、香港島のシンボリックな景色を堪能できる。
プールサイドでは食事も楽しめる。おすすめの時間帯は朝食。
俳優クラーク・ゲーブルとスクリュードライバーにまつわる話が有名な「The Bar」。
細やかなサービスは客室でも感じられる。引き出しの中には文房具やプリンター、さらにはネイル用のドライヤー、ワイヤレス充電器まで備えている。
乗り物好きのオーナーの愛を感じる充実した送迎サービス
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乗り物好きのオーナーの愛が滲むのが、ペニンシュラの送迎サービスだ。落ち着いたペニンシュラグリーンを纏ったロールスロイスやベントレーベンテイガは、移動時間でさえホテルの矜持を感じさせてくれる。ここでの滞在はホテルに着く前から始まる。屋上には、ヘリポートやヘリ用のラウンジまで備えている。ヘリを使った移動はもちろん、観光も可能だ。















