ASIA’S FINEST RETREATS: WHERE LUXURY MEETS TIMELESS ESCAPE
心に静けさを取り戻す、アジアの極上リトリート5選
March 2026
Jumeirah Bali
祈りの文化と建築美が織りなす聖域
到着の瞬間から非日常へと連れていってくれる“水の宮殿”のようなヴィラリゾート。サンセットで心を洗い、ハマムを備えたスパで深く整える。心の速度を落とせる聖域だ。
ヴィラの多くはインド洋へ視線が抜けるように設計されている。青のグラデーションと、手入れの行き届いた熱帯の緑に包まれると、呼吸のリズムがゆっくり整っていくのがわかる。ホテルが位置するのは、断崖の上に立つウルワツ寺院とケチャックダンスで知られるウルワツエリア。ングラ・ライ国際空港からは車で40~50分ほど。
「ジュメイラ」は、ドバイ発祥のホテルブランドだ。圧倒的なスケールとアラビアン・ホスピタリティに定評があり、現在世界で29軒のホテルを手がけている。近年ではホテルのみならずスーパーヨット「ザ・マルテーゼ・ファルコン」でのクルーズも始動するなど、いま勢いのある注目すべきブランドのひとつである。そんなジュメイラが手がける、聖なる島、バリ島南端のウルワツに位置するこちらの一軒は、島の自然美と、1293年から1478年までジャワ島中東部を中心に栄えたインドネシア最後のヒンドゥー教王国「マジャパヒト帝国」の壮麗さにインスピレーションを得た楽園だ。
ゲストを迎えるのは、水の宮殿をテーマとした、アーチが続く真っ白な回廊。辺りの水盤と相まって、到着した瞬間から非日常へと誘われる。遠くに見える海と、敷地内を彩るフランジパニやブーゲンビリアなど熱帯の樹木からは、バリの自然の豊かさを感じられる。客室はすべてヴィラタイプで、この地が持つスピリチュアリティと、快適さが完璧なまでに共存している。鳥の囀りを耳に、熱帯の木々が風に揺れる様子を見ながら、お香を炊いてゆっくりと身体を温めるバスタイムは、それだけで完璧な瞑想時間となる。
プライベートプールへと繋がる、ヴィラのベッドルーム。
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左:水の宮殿を思わせる連続アーチの回廊。屋内外が溶け合う設計が、到着の瞬間から非日常へ導く。右:石造りのアーチに抱かれた半屋外のスパエリア。朝にはヨガクラスなども開かれる。
全部で4つあるダイニングのうち、ハイライトは断崖の上に建つ「AKASA」だろう。炎を使ったグリル料理が自慢で、目の前には圧巻の景色が広がる。サンセットに合わせてディナーの予約をするのがおすすめだ。他にもワインセラーを備えた「Mantra」から、オールデイダイニング「Segaran Dining Terrace」、インド洋を望むインフィニティプールに隣接する「Maja Sunset Lounge」まで、どれも雰囲気の異なるダイニングが揃う。
もうひとつのハイライトである、スパ施設「Talise Spa」は、静かな水盤とアーチが織りなす空間。トリートメントはフェイシャルからボディ、ヘアケア、オイルマッサージやバリ伝統のクレンジングスクラブまで幅広く、オスマン様式のハマムも用意されている。
朝の時間が取れるなら、専属のインストラクターによるヨガや、ガイド付きの瞑想セッションも試してみたい。海の気配と、熱帯の緑の匂いが混ざる空気の中で深呼吸をすると、心と身体の緊張がみるみるうちにほどけていくだろう。壮大で、絵になるだけで終わらず、心身の速度を落とし、土地のエネルギーをチャージする。バリとジュメイラが出会うことで生まれた極上の隠れ家である。
シグニチャーダイニング「AKASA」。海からの心地よい風を感じながら、夕景で心をリセットしたい。












