5 UNBREAKABLE RULES OF TAILORING
服選び、5つの鉄則
February 2019
3)ボタンは正しい大きさであるべき
良いボタンは、まるで良い葉巻のようだ。さまざまなゲージ(直径の単位)で作られていて、それぞれが特別な意味を持っている。そして葉巻のように、ボタンは独自の測定単位を採用している。
ボタンメーカーは “リーニュ”という単位を使っている。これは、メートル法以前の、18世紀以前のフランスで使われていた単位であり、現在も高級時計の世界で使用されている。
それぞれのボタンのリーニュは目的を持っている。そして良いテーラーは、ダブルブレステッドのジャケットとオーバーコートが、より大きいボタンを必要とすることを知っているだろう。
これはほとんどの既製服のコレクションでは見過ごされているポイントだ。もちろんすべての服に同じボタンを使うことによって、経費を節約出来るからだ。
4)リネンは裏地なしで
あなたが構築的なスーツか、よりナチュラルなシルエットのスーツを好むかどうかにかかわらず、特定の布は最小限の裏地で作られるべきだ。
夏用のウール・フレスコなどは、通気性を高めるために裏地を省くことが多いが、これはリネンにも当てはめられる。リネンは暑く湿気の多い場所で、非常に快適だ。少々のシワさえガマンすれば、空気の循環を確保出来る。総裏仕立てのリネン・ジャケットはまだ有り得るかもしれないが、裏地付きのリネン・パンツは完全に無意味だ。
暑苦しいだけでなく、アイロン掛けが難しくなって、リネンのよさが引き出せなくなる。
5)襟はロールしているべきだ
仕立ての秘法は、完全に平らな布を使って、立体的な物体を作るところにある。これは、パターンの組み合わせ、内部構造、そしてプレスによって達成される。
肩に関してはさまざまな見解がある。コンストラクテッドなものを好む人もいるし、ナチュラルなスタイルが好きな人もいる。チェスト部分のシェイプとボリューム感もテーラーによってさまざまだ。
しかしラペルはボディに対してフラットになっていないものを選びたい。それらはエレガントなロールを描いているべきだ。オーダーメイド・スーツなら、必ず美しくロールしたラペルを備えているものだが、高品質な既製服のなかにも、優美なカーブを描くものを見つけられる。