Friday, September 4th, 2026

東京・京橋で、1000年前の美と出会う。宋磁の優品120点を無料公開

 繭山龍泉堂は、東京・京橋に店を構えて120年以上、東洋古美術を世界の美術館やコレクターへ紹介してきた老舗古美術商だ。その隣接ギャラリー「RYUSENDO GALLERY」で、中国陶磁史の頂点とされる「宋磁」を主題にした展覧会「AN EXHIBITION OF SONG CERAMICS 2026 宋磁」が10月16日から11月1日まで開催される。入場は無料、気軽に立ち寄れる展観だ。

 出品される約120点は、その多くが日本初公開あるいは数十年ぶりの公開となる。松江の大名茶人・松平不昧が所持したと伝わる建窯の「建盞」、1937年にパリのオランジュリー美術館へ渡った来歴を持つ定窯の「白磁印花牡丹文盤」、英国の名蒐集家ロルフ・カンリフの旧蔵品である鈞窯の「月白釉鉢」など、由緒と芸術性を兼ね備えた逸品が一堂に会する。ケース越しではない露出展示で、光の当たり方によって表情を変える釉薬の質感を間近に見比べられるのも魅力である。

 そして本展の作品は、鑑賞するだけでなく購入もできる。仕立てのスーツや一本の時計に人生を映してきたTHE RAKE読者にとって、1000年の時を経てなお美しさを保つ器を自らの手元に迎えることは、また新しい所有の楽しみとなるはずだ。専門知識がなくても、まずは「美しい」と感じるところから始めればいい。

 
 

text Nobuhiko Takagi