Sunday, June 28th, 2026
重要文化財に泊まる。日本初の監獄再生ホテル「星のや奈良監獄」が開業
星野リゾートが、国の重要文化財である「旧奈良監獄」を保存・再生したラグジュアリーホテル「星のや奈良監獄」を開業させた。明治政府が威信をかけて建設した「明治五大監獄」のうち、唯一往時の全貌をほぼ完璧に遺す歴史的建造物が、日本随一のヘリテージホテルとして新たな歩みを始める。
「明けの重要文化財」をコンセプトに掲げる同ホテルの白眉は、かつての舎房を大胆に連結させた全48室のスイートルームだ。独居房10房分を繋ぎ合わせた客室「The 10-Cell」では、漆喰の下から露わになったレンガの遺構や、高さ約3.5mの美しい「ヴォールト天井」が共存。無骨な鉄骨補強とヨーロッパの高級家具を繊細に融和させた空間は、監獄の閉塞感を宿命的なデザインの強さへと昇華させている。中央看守所から5本の舎房が放射状に伸びる「ハヴィランド・システム」の機能美をそのまま活かした回廊が、ゲストを圧倒的な非日常へと誘う仕組みだ。
美食の提案にも、近代国家の黎明期に花開いた文明開化の華やぎが息づく。夕食に用意されるディナーコース「ガストロノミー・クロニクル」では、日本のクラシックフレンチを象徴するアルベールソースで味わう「舌平目のブレゼ」など、明治から未来へと続く食の系譜を表現。朝食には、ウスターソースで味わうスコッチエッグなど、当時の洋食文化のルーツを紐解く「文明開化の朝食」が提供される。
1泊147,000円(1室あたり、税・サービス料込、食事別)から展開される至高のヘリテージ・ラグジュアリー。悠久の時を刻む赤レンガに抱かれ、明治の意匠と現代の洗練されたホスピタリティが共鳴する唯一無二の滞在は、本物を知る旅人の知的好奇心を深く満たしてくれるに違いない。
text THE RAKE
















