ヴィターレ・バルベリス・カノニコが今春オススメする
3つの最旬ファブリック

VBC 最旬ファブリック03:
“SUPER SONIC” Wool & Silk & Linen Jersey
テーラーも惚れた三者混ジャージー

SARTORIA YPSILON1977年からローマのトミー＆ジュリオ・カラチェーニで修業を積み、その後、ローマとミラノに自身のサルトリアを構えていた船橋幸彦氏は、イタリア在住歴32年のマエストロだ。着用時に服の重さを感じさせない氏独自の理論による仕立てとＶBCのウール＆シルク＆リネン ジャージーの組み合わせは、限りなくリラックス感に溢れる。国内縫製のメイド・トゥ・メジャーで、納期は約5週間。ジャケット¥154,000〜（オーダー価格） Sartoria Ypsilon／ⒶⒷ　グレイパンツ￥121,000 Ambrosi／Ⓐ　 ニットポロ property of stylist

　テーラードの世界において、これまでジャージー素材はプレタポルテでこそ人気はあれど、オーダーメイドの世界では長らく敬遠されてきた。伸縮性に優れ、着心地のよさは抜群だが、素材の表情が本格テーラードの見た目にそぐわなかったのもあっただろう。そして何より、テーラー自身がジャージー素材に対して距離を取っていたことも理由のひとつである。

　が、VBCのジャージーは、そんなテーラーの価値観を大きく変えそうだ。人々はこれまでよりもさらにライトでコンフォータブルな着心地を好むようになってきているが、そんな中で生まれたのが、VBCのアイコンである21マイクロンウールをベースにし、シルク、リネンをブレンドした糸によって編まれたこちらの三者混ジャージー。縦横ともに伸縮性を備えながら、上のハウンドトゥースを見ての通り生地の表情はとても豊かで、クラシックな中にも新鮮さがたっぷりだ。とても快適な着心地で、見た目も軽やかなのがいい。その他、マイクログレンチェックやウインドウぺーンなどが揃っているほか、カラーバリエーションが豊富なのも嬉しい。

　ちなみにこちらは世界中を飛び回るジェットセッターをイメージして開発された「スーパーソニック（超音速）」レンジの生地であり、これで仕立てられた本格的なジャケットをもっていれば、旅のお供として大変重宝するはずだ。今、求めに求められている生地を、最高の仕立てで味わえるようになったのが嬉しい。