SPIGOLA
ビスポークシューズ界のキング
February 2015
クラシックな中に宿る程よい色気と遊び心革選びひとつをとっても、色気がある。そして、最近は程よいボリューム感のラウンドトウが気になっているとのこと。
左:ホーウィンのホースフロントを使用したウイングチップ¥380,000~
中央:グレーのフレンチカーフのストレートチップ¥350,000~
右:ロシアンレザー風のシュリンクレザー製チャッカブーツ¥368,000~
右上:ベビークロコダイルのローファー¥720,000~
世界を虜にするビスポーク靴 2001年、鈴木幸次氏のデビューは鮮烈だった。フィレンツェでの4年間の修業を終え、帰国したばかりの25歳。当時のニッポンには、そんな若いビスポーク靴職人は、誰もいなかった。作品はまだ粗削りだったけれど、それを補って余りあるだけの魅力に満ちていた。あれから14年、着実に腕を上げ、名実ともにトップの職人へと、見事なまでに成長を遂げた。
職人が手掛ける靴には、人間の内面・生き様がそのまま表れる。トップで走り続けてきた自信の裏返しか、彼には構えたところが一切ない。人物はイタリア的な陽気さ、靴は自然体が生む色気に満ちている。彼自身も人生を楽しみ、たくさんの趣味を持っている。職人は仕事だけに気持ちが向いてしまいがちだが、心の余裕こそが靴に魅力をもたらしてくれることを、彼は誰よりもよくわかっている。
そんな鈴木氏の舞台は今や世界だ。香港、シンガポール、ニューヨークでのオーダー会は大盛況だし、最近では北欧の各国からも熱烈なラブコールを送られている。
氏の世界での成功は、これからの若い世代の靴職人たちに、大きな夢を与えてくれる。限られた顧客しかいない小さなビスポークの世界でも、世界を相手にすれば話は別だ。そして実際、今、世界は第2の鈴木氏を探しているのだから。
本記事は2015年1月24日発売号にて掲載されたものです。
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THE RAKE JAPAN EDITION issue 02
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Tuesday, February 17th, 2015