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ビームスの財産が人にあるといわれる真の理由
May 2025
photoraphy jun udagawa
絶対的な安心感を生むベテランの圧倒的経験値
伊藤昌輝氏(左)
ビームスF 新宿 サービスマスター1969年、横浜生まれ。98年、ビームス 銀座にアルバイトで入り、ビームス ハウス 丸の内を経て2016年よりビームスF 新宿へ異動。2017年、社内で数名しかいない「サービスマスター」となる。SNSを活用した提案をする「オムニスタイルコンサルタント」としても活躍中。
間瀬裕介氏(右)
ビームスF バイヤー1990年、栃木県生まれ。大学を卒業後、2013年にビームス入社。ビームス銀座、ビームス 六本木ヒルズ、ビームスF、ビームスハウス 丸の内にて、販売を経験。その他、プレス、eコマース部門を経て、昨年よりビームスFバイヤーに就任した期待の星。
自身の経験を通して知った本物の魅力を伝えたい(伊藤氏) アットリーニ、パニコ、ダルクオーレ、英国ものではファーラン&ハービーなど、30年近いキャリアの中で数々の服を仕立ててきた。それらは皆、伊藤氏のスタイルに欠かせない現役の服であり、今なおその魅力に惹きつけられている。
「私たちは、⻑く愛することのできる価値ある服をご提案しています。本物は、普遍的なスタイルという輝きを持ちながら、時代の薫りという価値を重ね、決して古びることはありあせん。そうした服に感動した経験をお客様と分かち合い、関係を築けるのは、とても嬉しいことです。購入後のケアも含め、培ってきた経験をお客様にお伝えしていくことが、私の使命だと思っています」
クラシックがもつパワーとエレガンスを伝えていきたい(間瀬氏) クラシックの館、ビームスFに新風を巻き起こしそうなのが、昨年バイヤーに就任した間瀬氏だ。ダルクオーレの濃紺スーツ、シャルベのブルーシャツ、フェルモ フォサッティのソリッドタイ、チャーチのパンチドキャップトウで、クラシックとエレガンスを突き詰めた正統の装いは、上質さ、シルエット、ディテールの隅々にまで徹底してこだわったものだ。それが今、逆に新鮮だと氏は話す。
「今日はドレスの装いでいちばんカッコいいと思えるスタイルでまとめました。ミックススタイルが溢れる昨今、逆に珍しがられますが、これを続けていくとどんな反応が生まれるか、すごく興味があるんです」
ビスポークを経験し尽くし、独自のスタイルをもつ伊藤昌輝氏のスタイル構築に欠かせない愛用品
かつてビームスは、ジョージクレバリーのビスポーク受注会を定期的に開催していた。伊藤氏も結構な数をオーダーしてきた。特にお気に入りなのが、写真のボタンアップブーツとサイドエラスティックシューズだ。
スカーフのような柔らかさが、このブランドでしか出せない独特のエレガンスを生むセッテピエゲのタイ。左:ウールモヘアのタイ¥44,000、ウールタイ¥44,000 both by Atto Vannucci / Beams House Marunouchi(ビームス ハウス 丸の内 Tel.03-5220-8686)
8ボタンのブレザーは、かつてビームスに勤務していたビスポークテーラー、サルトリア ヤマッチに仕立てもらったもの。往年の英国のクラシックで構築的なスタイルに、ナポリらしいディテールを取り入れた、伊藤氏ならではのこだわりが詰まった一着だ。
感性で魅せる、ビームスFの新任バイヤー間瀬裕介氏のスタイル構築に欠かせない愛用品
左は定番として展開しているエンツォ ボナフェの「ディ コジモ」。英国靴を好む間瀬氏だが、イタリア靴でありながら英国靴的な薫りもあってお気に入り。知人からデッドストックで譲ってもらったというチャーチのパンチドキャップトゥ。インソックの表記が2都市(London, New York)の貴重なオールド品だ。
バイヤー就任後に展開するこちらのシャツは、クラシックなフランスのドレスシャツがもつムードを取り入れながら、日本製にすることで、縫製や着心地をアップデートさせている。ワントーン濃いフレンチブルーが間瀬氏らしい提案だ。左¥30,800、右¥29,700 both by Beams F(ビームスF Tel.03-3470-3946)
シンプルな装いを好むからこそ、白のポケットチーフには徹底したこだわりをもつ。左はシモノ ゴダール、中央と右はパリの蚤の市で見つけたヴィンテージだ。
本記事は2025年5月26日発売号にて掲載されたものです。
価格等が変更になっている場合がございます。あらかじめご了承ください。
THE RAKE JAPAN EDITION issue 64







