May 2022

JOHN LOBB “PHILIP II”

誰もが認める
世界最高峰の既製靴

シューズ内側が土踏まずに沿って絞り込まれているのがわかるだろうか。これがジョンロブ、プレステージラインならではの造形である。体重を靴全体で受け止め、長時間履いていても疲れない。流麗なラインが美しい。

 ジョンロブが世界一の靴といわれるのは、主にふたつの理由からである。

 ひとつ目は、使われている革の質が飛び抜けていいこと。世界で流通する中でも最高級のフルグレインレザーである。しかもアッパーだけでなく、靴の内部に使われる副資材など、徹底してすべてのパーツに使用しているのだ。ジョンロブでは、毛穴や血筋も必要以上に加工せず、ありのままの状態を用いるため、革自体の品質の高さを重要視している。フルグレインレザーは強度が高く、非常にしなやか。通気性にも優れ、履き進めるにしたがって自然と足の形になじむという特徴を持っている。

 ふたつ目は、他に類を見ない製造技術を持っていること。英国ノーザンプトンに位置するジョンロブのファクトリーでは、すべてが分業制になっている。アッパーを縫う人はアッパー縫いだけ、吊り込みをする人は吊り込みだけ、底付けをする人は底付けだけをする。それぞれの職人は同じ動作を何千何万と繰り返し、靴を丸ごと縫うことは出来ないが、ワンアクションにおいては最高レベルに達しているのだ。工房は80名以上のスペシャリストを擁すが、そんな場所は他にないのである。

 ここに紹介する「フィリップⅡ」は、ジョンロブの上級コレクション、プレステージラインで、最も人気があるモデルである。絞り込まれたベヴェルドウエスト、丸みを帯びたヒールカップなど官能的ともいえるラインに目を奪われる。こういう造形を作るには水に濡らした革をラストに被せ、じっくりと時間をかけて乾かさなければならない。靴作りでは寝かせることも重要な工程の一部なのだ。銀面にコーティング処理をせず、革が呼吸できるようになっていたり、アッパーとライニングが固定されておらず、別々に動くようになっていたり、すべて手間暇のかかることばかりだが、ジョンロブはこうした昔ながらの方法を頑なに守っている。コスト優先のメーカーでは、こうはいかない。

 ジャケットからスーツ、フォーマルにまで対応する汎用性の高いストレートチップこそ、いいものを選びたい。その点、ジョンロブのフィリップⅡなら、まず間違いのない投資だといえるだろう。

ジョンロブの既製靴を代表するベストセラーモデル。有名な7000番と呼ばれるラストが採用されている。ややロングノーズでシャープなシルエットが特徴だ。アッパーはシンプルなデザインだが、かかとに縫い目がないホールカット仕様である。カラーバリエーションは3種類で、ブラックにはオックスフォードカーフ、ダークブラウンとプラムには、ミュージアムカーフが使われている。どちらも、もっちりとした素材感が素晴らしい。これぞストレートチップの最高峰である。「PHILIP II」¥277,200 John Lobb

ジョン ロブ ジャパンTEL.03-6267-6010

本記事は2022年5月25日発売号にて掲載されたものです。
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THE RAKE JAPAN EDITION issue 46