俳優：ミシェル・ヨー インタビュー「ガラスの天井は、粉々に打ち砕く！」

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　世界へと飛び出すことは、大きな冒険だったという。両親は、初めのうちは娘に旅をさせることにやや保守的な考えを持ち付き添っていたが、彼女が成長するにつれ、その支配の手を緩めた。

　同級生は、日本から来たひとりの女の子を除いて全員イギリス人。そんな環境の中、ヨーは朝から日が暮れるまで踊り、夕方から勉学に励むという生活を送っていた。バレエダンサーへの夢は、17歳の頃に負った背中の怪我によって阻まれたが、幸いなことに、彼女は前に進むために必要な人生の教訓を得たのだった。

「ダンスを学ぶことにたくさんの可能性があることを教えられました。ダンサーにもなれるけど、振付師や教師にもなれる。人生というのは瞬きをすることではなく、60歳にして絶頂を迎えた真のアクションスター心を開くことを学ばなければならないのだと気づきました。失敗もまた、そこから学んだり、より強くなったり、他に好きなものを見つけることに役立つのです。そこで私の新たな夢となったのは、自分のバレエスクールを設立して子供たちの成長を見守ること。私が踊れなくても、誰かが踊ってくれるでしょう」

　ヨーは学校で演劇にも出会い、学んだが、極度のアガリ症だった。

「もし当時の私が 女優を目指すと宣言したら、教授全員が最後の1ポンドまで賭けても実現しないと言ったでしょうね」

　だからヨーは卒業後、映画界に進出することには消極的だった。映画が自分にとって適切な表現の舞台になるとは思えなかったのだ。しかし20歳になった彼女は、思いがけず、母の勧めでミス・マレーシアに出場し、見事優勝する。同じ年、旅行で訪れたオーストリアでもミス・ムンバ／ミス・ツーリズム・インターナショナルに出場し、またしても優勝を勝ち取ってしまった。

　そんな矢先、友人が後にヨーの夫となる香港の実業家ディクソン・プーンに彼女を紹介する。サモ・ハン・キンポーらと映画制作会社D&Bを設立していた彼は、ちょうどギ・ラロッシュという腕時計のCMでジャッキー・チェンと共演する女優を探していたのだ。その結果、当時21歳だったヨーはD&Bの専属女優となり、まだ若かりしジャッキー・チェンとCMに出演することになった。そこから映画界に進出するのは彼女の狙いではなかったが、彼女はかつての校長シスター・モーリーンをがっかりさせるであろう「Um, okay!」という元気な返事で、出演をあっさり決めてしまったのだった。