DESIGNED FOR YOU: 超一流ブランドでオーダーすべき”この逸品” 11

JOHN LOBB:究極のジョンロブ、パリ・ビスポーク

December 2022

ジョンロブのパリ・ビスポークは本格靴ファンにとって永遠の憧れ。雑誌ではなかなか取り上げないその作例をお目にかけよう。
text hiromitsu kosone
photography kenichiro higa

パリのモガドー通りにあるアトリエで製作される、ジョンロブのビスポークシューズ。日本でも予約制で常時オーダーが可能なほか、年3回パリからマスターブーツフィッターが来日してビスポークセッションも行っている。仮縫い付きで納期は約8カ月〜。¥1,595,000〜(ビスポーク価格)John Lobb

 英国ノーサンプトンで作られるジョンロブの既製靴は数えきれないほど見たことがあるという人でも、パリのアトリエで製作されたビスポークシューズを目にする機会はあまりないだろう。ところ変われば……というべきか、同じジョンロブながらこちらはフレンチ・ビスポーク的テイストも感じさせる。しかしシェイプは極度に攻めすぎることもなく、過剰な色気やシャープさを排して控えめにまとめられていて、英国靴ファンにとっても大いに共感できる作風だろう。

 加えてパリ・ビスポークのユニークなところは、下段両端の靴のようにかなりコンテンポラリーな作品も手がけていることだ。これらはトウシェイプにもあえてボリュームをもたせていて、“いかにもビスポーク的”なビスポーク靴とは一線を画している。正統派のクラシックからモダンデザインまで、非常に幅広い表現力を備えているところが素晴らしい。

 無論、どちらの方向性を選んでも“最高の最高”なクオリティであることに変わりはない。究極のジョンロブといえるパリ・ビスポーク、クラシックファンなら一生に一度は体験してみたいところだ。

大変美しい
ウエストの絞り
グッと絞り込まれた、手製靴ならではのウエストシェイプ。望めばこのような仕立てでオーダーすることもできるし、あえて絞り込まずに作ることもできる。

本記事は2022年7月25日発売号にて掲載されたものです。
価格等が変更になっている場合がございます。あらかじめご了承ください。

THE RAKE JAPAN EDITION issue 47

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