Kioicho Plaza Clinic Vol.01
お金が少々かかってもいいから
とにかく「痛くない」
最高の歯科治療をしたい人へ
June 2019
エグゼクティブにとって歯は“鬼門”である。服装やヘアスタイルには気を遣っても、口の中まで気を配る人は少ない。忙しさにかまけて、毎日のケアが疎かになっていないだろうか? 痛くないからという理由で、ずっと歯医者へ行っていないのではないだろうか?
しかし、これは大きなワナである。知らないうちに口臭を振りまいていたり、虫歯が進行して、気がついたら抜歯しか選択肢がなくなることもある。さらに行き着く先は、総入れ歯だ。
日本人のオーラル・ケアに対する意識の低さは、先進国中最低だという。欧米では当たり前だと思われていることが、日本では知られていない。一生自分の歯でものを食べるのに一番必要なことは、歯に対する正しい知識なのである。
そこで今回、多くのセレブや政財界人が通う超有名歯科医院『紀尾井町プラザクリニック』院長、根深研一先生にお話を伺った。歯科治療のイロハから、わがままな無理難題、そして話題のインプラントや口内除菌、最新の矯正治療まで、Q&Aにて幅広くお答え頂いた。
最先端の歯科治療に、きっと瞠目なさることだろう。
根深研一(ねぶか・けんいち)
1968年宮城県仙台市生まれ。1995年岩手医科大学歯学部卒業。歯学博士。鶴見大学歯学部准教授。インプラント治療を中心とした臨床の傍ら、2000年からヨーロッパやアメリカに渡り、世界最前線のインプラント治療・骨再生治療を学ぶ。2005年12月、“アンチエイジングと美”をテーマに、医科歯科連携クリニックのパイオニアとして『紀尾井町プラザクリニック』をオープン。現在、口腔環境から全身の美と健康を増進することを目的とした“口内除菌”を研究、提唱している。
———歯医者が大嫌いです。とにかく痛くない治療はありませんか?
「ははは。いきなりですね。しかし、実は私も『歯医者が好きです』という患者さんにはお会いしたことがありません(笑)。特に痛みを嫌う方が多いですね。そこで当院では、無痛治療にこだわり、痛みというものに細心の注意を払っています。
例えば、麻酔を打つときは、まず麻酔クリームを塗って表面麻酔をし、非常に細い針がついたコンピュータ制御の機械を使って、ゆっくりと圧をかけずに麻酔薬を注入します。麻酔は数回に分けて、少しずつ行ないます。痛みを避けるためには、時間をかけることが一番なのです。太い注射針で一気に注入すると圧がかかり痛いのです。
では、なぜ普通の歯科医院では太い注射針を使い短時間で麻酔をするのかと言えば、患者さんの数を捌かなければならないからです。保険治療の医院では、一日に30~50人の患者さんを診なければならないと言われています。ですから、ゆっくりやっていたのでは、経営が成り立たないのです。当院は保険を使わない自由診療という形をとっていますので、ひとりひとりの患者さんに時間をかけることができるのです」
ひとりひとりに時間をかけたカウンセリングで患者さんの不安を取り除く。