Wellness & Expedition Hotel in Nagano –“Zenagi” Vol.1

富裕層が訪れる
一棟貸切の古民家ホテル

Thursday, May 6th, 2021

 もう1年以上、海外旅行が難しい状況が続いている。人との接触は最小限に抑えつつも、都会の喧騒を忘れて、豊かな大自然と贅沢な食事をラグジュアリーに満喫したい————。そんな今、国内の富裕層に注目されているホテルがある。長野県南木曽町にある「Zenagi(ゼナギ)」だ。

 

 

日本の原風景ともいえる美しい棚田の高台に佇む「Zenagi」のエントランス。数百年の歴史が重厚な趣を残している。

 

 

 釘を一切使わない、日本の伝統的な木造建築。囲炉裏の煤によって燻された黒い天井が、築300年という時の重みを感じさせる。江戸時代の豪農が所有していた古民家は、すべてが芸術作品のように美しい。

 

 Zenagiは、この大きな古民家一棟をまるごと改装して2019年にオープンした。古民家内部の客室は、3室のみ。宿泊のほかに夜・朝・昼の3食(または平日のみの2食プランもあり)とアクティビティプランを含めたオールインクルーシブタイプの“体験型ラグジュアリーホテル”だ。オープン当初は世界中から富裕層顧客が訪れていたが、現在は感染予防対策として一棟まるごと完全貸切の形で運営されており、1日1組限定のプライベート・リゾートとなっている。他の客と接する心配がないため、子供連れのファミリーでも安心して利用できるのが嬉しい。

 

 この宿の魅力はなんといっても、オールインクルーシブタイプであり、プライベート・シェフ、バトラー、ガイドが専属で付くこと。食事やアクティビティも含めて、すべてバトラーとの相談により決められる。いわば、“特別な旅”のオーダーメイドである。チェックイン・アウトの時間、宿での過ごし方、そして食事や、翌日のアクティビティもすべて思いのままだ。

 

 Zenagiへのアクセスは、ハイヤーでの送迎サービスがあるため安心。宿から近い南木曽駅・中津川駅・田立駅・妻籠宿・馬籠宿からは無料で、希望すれば有料ハイヤーで東京・大阪・名古屋でもどこからでも送迎してくれる。また、南木曽町内にあるヘリポートも利用可能で、ヘリコプターでのアクセスも可能。これらの手配もすべて事前にバトラーへ依頼できる。

 

 

 

天井までの吹き抜けが広がるロビー空間。木曽の杉の木目を生かした床には、職人が3ヶ月かけて黒漆を塗り上げた。奥に見える壁紙は、木曽地方に古くから伝わる和紙漉きの技術を生かしたもの。独特の風合いがあり、差し込む陽の光によって刻々と表情を変える。

 

 

 

 リノベーションされたその設えやインテリアは“調和”をテーマとしており、禅の思想に基づくミニマムかつシンプルな趣で、非常に洗練されている。特にロビーやラウンジの空間は、この古い屋敷に残されていた材木を生かした家具や、木曽地方の工芸技術がそこかしこに見られる。騒々しい都会での時間とはまったく異なる、静かでゆっくりとした、贅沢な時が流れる。

 

 

ラウンジのテーブルは、馬小屋に残されていた巨大な木材を、中津川の銅でつなぎ合わせたもの。トム・ディクソンの照明とのコントラストが美しい。

 

ラウンジには、“木曽の職人”と“木曽の木材”によって生み出されたオリジナルの「KK チェア」が並ぶ。

 

 

 

 伝統的な日本家屋の造形美を残す一方、ホテルとして快適に過ごすことのできる現代的な機能を装備している。「宮」「松」「紀」の3つの客室があり、いずれも2階建てのメゾネットタイプ。1階がバスルームやトイレ、2階はベッドルームとリビングルームとなっている。古い梁や柱はあえてそのまま残されており、歴史的な建築物に宿泊する特別な感覚を盛り上げてくれる。それぞれのリビングルームからロビー空間の吹き抜けを見下ろす構造で、「松」と「紀」にはパノラマの大きな窓があり、棚田や森、山々が織りなす四季折々の風景や美しい日の出、夕陽を眺めることができる。

 

 

リビングルームが位置する空間は、かつてお蚕さんが繭を育てていた場所にあたる。繭をイメージした照明や、見る角度で色調の変化する特殊な畳がモダンな印象の空間へと昇華。窓際のデイベッドに寝そべりながら夕陽や星空を眺めるのもよし。

 

「紀」のベッドルーム。かつてこの屋敷に残されていた箪笥も丁寧に修理して配されている。

 

 

 

 しかしなんといってもハイライトは、各部屋に備えられた大型ヒノキ風呂である。木曽ヒノキは、信長の時代から伊勢神宮に奉納されてきた。庶民がヒノキを切ると、「木一本、首一つ」という厳しい処罰が下されたほど神聖なご神木だった。そんな木曽のヒノキを贅沢に使用した浴槽は、地元メーカーが特別に設計・製作したもの。そのデザインや仕様は各部屋で異なるが、芳醇な木の香りに包まれて浸かる湯船には誰もがため息を漏らすに違いない。

 

 

「松」のバスルーム。伝統工芸でありながらもモダンな印象のヒノキ風呂は、地元メーカーの檜創建が製作したもので、グッドデザインを受賞している。

 

 

Vol.2 食もアクティビティもオーダーメイドの宿

 

 

Zenagi

■平日限定プラン(1泊2食・1体験付き)

¥198,000/2名、¥297,000/3名、¥385,000/4名

(5名以降は一人につき¥66,000の追加)

プライベート・シェフ/バトラー/ガイド付き

■スタンダードプラン(1泊3食・1体験付き)

¥132,000/1名

プライベート・シェフ/バトラー/ガイド付き

※5歳以下のお子様の料金

¥49,500/1名

長野県木曽郡南木曽町田立222

https://zen-resorts.com/