TRISARA - AN EXTRAORDINARY RESORT WITH FINE DINING RESTAURANTS IN PHUKET

旅好きと食通を虜にするプーケット屈指のリゾートホテル「トリサラ」

October 2024

ここは、地上の楽園だ。星付きレストランと極上の客室を備え、雄大な自然に抱かれるこの場所で、日常から解放されたい。

 

 

text yukina tokida

 

 

「トリサラ」が位置するのはプーケット島の北西部。空港からは車でわずか15分とアクセスも抜群だ。右の建物はキッチンも完備したレジデンスタイプ。すべての客室からオーシャンビューを楽しめる。

 

 

 

「第三の天国にある庭」を意味するサンスクリット語に由来するラグジュアリーホテル「Trisara(トリサラ)」は、日常の喧騒とは無縁の別世界だ。白砂のプライベートビーチとエメラルドブルーの海、豊かな緑に囲まれ、他のホテルとも隔離された約5万坪もの敷地には、時を超えて守られてきた手付かずの自然が息づいている。

 

 プーケット北西部に位置する「トリサラ」が誕生したのは2004年11月のこと。かの有名なアマンプリを手がけたレジェンド、アンソニー・ラーク氏が指揮を執り、この地に開業を果たした。名だたるホテルがひしめくプーケットにおいて、約20年経った今でも“六ツ星”リゾートと称される理由は数え切れない。温かくきめ細やかなおもてなしや徹底した警備によるプライバシーの確保、レベルの高いスパ、充実したアクティビティやキッズクラブ、フォトジェニックなプールなど多岐にわたるが、なかでも他と一線を画しているのは、その多彩で独創的なダイニングだろう。

 

 トリサラには敷地内で楽しめるダイニング4つに加え、少し離れた場所にある“ハイダウェイ”レストランの計5軒があり、タイ料理や地中海料理など多彩なラインナップが魅力。全レストランで親会社が運営するオーガニック農園「Pru Jampa Farm」の新鮮な食材を使用し、Farm-to-Tableを実践しているが、特に注目すべきは「PRU(プル)」と「JAMPA(ジャンパ)」の2軒だ。

 

 

 

プーケットで唯一の星付きレストラン

 

 6年連続で一ツ星を獲得している「PRU」は、プーケットで唯一のミシュラン星付きレストラン。2023年にリゾート敷地内で移転し、キッチン越しにプーケットの海とサンセットを望める新たな空間に生まれ変わった。29歳という若さでPRUの総料理長に就任し、ミシュランの星を獲得したジミー・オーフォスト氏の料理は、タイ全土から厳選した食材を使った「Community-to-Fork」がテーマ。内装や器は地元の職人による作品で統一され、ゲストが五感でタイを体感できるように工夫されている。

 

 また、余ったパンを再利用し、黒米で作った麴とともに約3カ月間発酵させて自家製の「ブレッド味噌」を造るなど、フードロス問題への取り組みにも積極的で、2020年にはタイ国内で初めて、美食とサステナビリティを両立するレストランに贈られるミシュラン・グリーンスターを獲得した。

 

 

「PRU」の名物のひとつが、薪火で燻したドリアンをムース状に仕上げたひと皿(写真左下)。ホアヒン産の最高級キャビアと紫蘇ソースとともに。滑らかな舌触りと燻香、ドリアンの甘味とキャビアの塩気のバランスが最高。必食の一品だ。上:洗練された雰囲気の店内はオープンキッチンスタイル。カウンター越しに活気あるキッチンとプーケットの美しいサンセットを望める。右下:シェフのジミー・オーフォスト氏は、注目すべきスターシェフのひとり。

 

 

 

森に溶け込むサステナブルな一軒

 

 トリサラから車で約15分の場所にある「JAMPA」も、2022年の開店からわずか2年でグリーンスターを獲得した一軒だ(現在タイにおけるグリーンスターはこれら2軒のみ)。「直火・地産地消・廃棄物ゼロ」という三つを組み合わせた新ジャンルの第一人者であるシェフのリック・ディンゲン氏は、同店でもそのコンセプトを徹底。自社農園内の倒木から作った木炭を使用し、魚の骨や頭部もソースや出汁に活用している。

 

 

“ハイダウェイ”レストラン「JAMPA」は、直火のみで調理する革新的な一軒。左下:直火で燻製したビーツに、約2カ月間発酵させた黒ニンニク、乾燥させた魚の骨を燻したフィッシュボーンソースを合わせたもの。食材のほとんどを自社農園から調達している。右下:シェフのリック・ディンゲン氏。上:アイコニックなバーカウンター。自然の素朴さが感じられる店内は全面ガラス張りで、窓の外に豊かな緑が広がる開放的な空間だ。多彩なカクテルとモクテルも揃う。

 

 

 

多彩なオーガニック食材を育てる

1万6000㎡もの自社農園

トリサラのオーナーであるMHG社が所有するウェルネスコミュニティ「トリバナンダ」内にあるのが、オーガニック農園『Pru Jampa Farm』。1万6000㎡という広大な敷地内にハーブや花、野菜や果物の畑をはじめ、湖や鶏舎、キノコを栽培する小屋まであり、針なしミツバチの養蜂や木炭作りも行っている。

 

 

 

極上の時間を叶える客室

 

 これらのダイニングと同様に、細部まで行き届いた配慮が感じられる客室も、多くのゲストを魅了する理由のひとつ。5万坪もの広大な敷地にあるのは、39棟のプライベートヴィラと22棟のプライベートレジデンスのみ。隣のヴィラと十分な距離を確保しているため、他のゲストの存在を感じることはない。広々としたバスタブはもちろん、プールや屋外シャワーも完備。どの部屋からも豊かな緑と大海原を望むことができ、自然を間近に感じられる。室内の設計もゲストの動線を考慮されており、細部に至るまで居心地よさを追求。ゲストの手に触れるものはサステナブルでありながら上質なものばかりが揃えられている。

 

 フーディも旅好きも満足させてくれるトリサラでの特別な時間は、かけがえのない体験となるだろう。

 

 

敷地内で最も高い場所に位置するヴィラ「シグネチャー・オーシャンビュー・プールスイート」(230㎡/大人2名・子供2名まで宿泊可)。心地よい風を感じながら、壮大なパノラマビューを独り占めできる。明るい木材が基調となった室内には、広々としたリビングルームとベッドルームを備えている。大きなダイニングテーブルも完備しているため、インルームダイニングにも最適。サンデッキでBBQも可能。

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