THE WORK “Sunglasses”
クラシック好き、首ったけ
November 2021
photography yuko fujita
チッチオ ジャパンの上木規至氏がかけているのは、オーセンティックなウェリントンタイプのモデル「001」。レンズのサイズを縦横とも広げてアレンジしつつ、3点カシメでシンプルなフロントにアクセントをつけている。テンプルはやや太めでグラマラスかつシャープさを備えた形状がとても美しい。ちなみに3モデルともガラスの偏光レンズを採用しており、ブラック、ブラウン、グレイの3色展開となっている。それにしても兄弟そっくり! ¥52,800 The Work/Afterhours
鯖江の素晴らしいメガネ職人が、このたび自身のサングラスブランド「ザ ワーク」を立ち上げた。上木敬介氏、40歳。23歳でメガネ作りの世界に入り、職人としてキャリアを積む中で技術を磨き、4年前に独立。そのときからずっと温めてきた構想を、このたび遂に始動させたのだ。
氏はクラシックなビスポークスーツを愛する人たちがまさに好みそうな、シンプルな美しさを追い求めている。その中にどこか新しさを感じるフォルムを融合させるべく、コンマ1mmの差にもこだわって表現しているのである。それは一流のサルトが研ぎ澄まされた美意識のもと、カットや仕立てにこだわる感覚に近い。上木氏もまた、頭の中に明確に描かれているものを自身の思う形に落とし込んでおり、技術の高さだけでなく、その“感性”もまた氏の輝ける魅力である。
ところで、顔を見て「チッチオの上木規至氏に似ているのでは?」と思った方は鋭い。ふたりは兄弟。美意識は兄の規至氏と非常に近いものがある。故に、チッチオの服にもスッと溶け込むのだ。
セブンフォールドの加賀健二氏がかけているのは、ボストンタイプのモデル「002」。フレームにボリュームをもたせているのが新鮮。ブラウンは2トーンカラーになっていて、いい感じのニュアンスを生み出している。左側のテンプルエンド外側に「TW」の刻印が入った丸い合金プレートが埋め込まれており、それがブランドのアイコンとなっている。ノーズパッドは3モデルともクリングスを使用しているため、万人にフィットするのが嬉しい。¥52,800 The Work/Afterhours
本誌・藤田雄宏がかけているのは、ヴィンテージからインスパイアされたという、今の流れを捉えたモデル「003」。フォルムは攻めているが、裏面をクリアにした効果で意外や印象は軽やかだ。リムの内側がほんのりとテレビジョンカットになっており、レンズが埋まって柔らかなフォルムを生み出している。フラットな中に有機的な丸みをもたせて“流れ”にこだわり抜いたモデルとのことで、眺めるほどにその美しさに引き込まれていく。¥52,800 The Work/Afterhours
Keisuke Ueki/上木 敬介
1981年、福井県生まれ。23歳でバンブーフレームのメガネを手がける会社に入り、26歳から谷口眼鏡。技術を磨いて経験を積んで独立し、2017年11月に鯖江市内にメガネ工房「ザ ワーク」を設立。このたび社名と同じ名前の自身のブランドを始動した。工房ではひとりで黙々と作業しているが、敬介氏曰く「兄よりはよくしゃべります(笑)」。